登竜門ってそういうことなのか,と初めて知った 里山はもう田植えが済んだ5月【KOZUKA 513 shop paper vol24 2021/5】
何となく知っていて使っている言葉だけど、あらためて調べてみると「これが語源か」ということに、今でも出会う。
「登竜門」もそう。「スタ誕」(多分知っている人は少ないほぼ死語・・・)とかそういうのではよく使われていたけれど、鯉幟がらみの言葉だったことはこんな歳になって初めて知った。
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滝を登り切った鯉は竜になれるという 「鯉の滝登り」だ
「甍(いらか)の波と 雲の波・・・」で始まる『こいのぼり』の歌
かろうじて1番を歌えるかどうかなのだけれど 調べてみると3番は
百瀬(ももせ)の滝を 登りなば 忽ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と 空に躍るや 鯉のぼり
という歌詞になっていた
黄河の上流に竜門と呼ばれる急流があり そこを登り切った鯉は天に昇って竜になる
ということが『後漢書』というものに書いてあるらしい
「登竜門」という言葉がそこからきているとは知らなかった
実際には 鯉の泳力は滝を登るほどではなく
サクラマスなら3~5mの滝をジャンプして「滝越え」をするそうだ でも
急流に逆らい続けてあきらめず ついに登り遂げて竜になるという話 悪くない
5月 今年も里山の田には苗が植えられた まだ頼りない稲が風にたなびく
本当に 米を作る仕事はすごいな 尊いな と思う
もちろん1年を通じて米作りの仕事は素晴らしいなと思うのだけれど とくにこの季節
大山千枚田や知り合いの田で田植えをするにつけ
育苗から草刈り 田起こし 畔塗 代掻き 毎年毎年 手をかけている人々の知恵と努力
都会では何気なくスーパーマーケットで 銘柄米がどうとかいいながら買っていたお米の
底深いありがたさをかみしめながら 今日も土鍋でご飯を炊く
それにしても 5月ってこんなに寒いんだっけ? 梅雨入りももうすぐ
今夜も蛙の声を聴きながら 爽やかな夏の里山の風景の夢を見る
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南房総の米作りのスピード感には、少々戸惑う。
早ければ3月中から田植えが始まり、4月中にはほぼ終了。
東北の田舎では、5月の連休が終わる頃にようやく雪解け水の温度も上がり、あちらこちらで田植えが始まる。
稲刈りもそう。東北では9月~10月の風物詩なのだが、ここでは、早いところでは8月中旬から稲刈りが始まる。オーナー制に参加している大山千枚田の稲刈りも今週末。
自分が生まれ育った庄内では大規模な田がほとんどで、田植えも稲刈りもほぼ機械化されている。稲刈り~脱穀はコンバインで行われるし、そのままカントリーエレベータで貯蔵・乾燥されるから、なかなか天日干しにはお目に架かれない。
もちろん南房総でもほとんどの田はそうなのだろうけれど、大山千枚田のような棚田では、稲架掛けと呼ばれる天日干しの風景が見られる。稲架掛けの並ぶ枯れ田にのんびりと茎を伸ばす沢潟、畔に咲き始める彼岸花、
棚田の秋の風景も美しい。
店の関係で今年の稲刈りは次の月曜日。鎌は錆落としをして丁寧に研いだ。
今年も美味しい新米が食べられると思うと、気合が入るのだ。
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