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こんぺき

色について思いつくまま語ります。

今回は〈紺碧/こんぺき〉について。
濃い青緑色
黒みを帯びた紺色

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「紺碧」という言葉が好きです。
なんだかカッコいい。
文学的薫りがしませんか?
自分の書く文章に取り入れてみたい単語です。


この色名は文学作品でもお馴染みです。
泉鏡花は『伯爵の釵』で「巌」に、岡本かの子は『蝙蝠』で「満天」に、宮本百合子は『禰宜様宮田』で「山」に、この色名を用いました。

暦生活/高月美樹,365日にっぽんのいろ図鑑,玄光社,2020年,p.227



手元にある『365日にっぽんのいろ図鑑』によると、このように書いてありあります。
どの文学作品も未読です。
ゴツゴツとした大きな岩、星々が輝く夜空、緑深い山……それらに例える感性は、さすが作家さん。



私が読んだ本でこの色名がいちばん印象に残っているのは、須賀しのぶさんの『紺碧の果てを見よ』です。

関東大震災から第二次世界大戦の敗戦までを、ある兄妹を主軸に描いた青春群像の物語です。
主人公の青年(兄)が海軍の道を選んだため海のシーンがよく出てきます。
まさに、「紺碧の海」。
しかも、「果てを見よ」という命令形。
主人公の海軍軍人という設定とぴったりではありませんか。
クールなタイトルにぐっときちゃいます。




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それからもうひとつ。

インクです。
万年筆を愛用していますが、当然インクもいくつか持っています。
夏になるとブルー系の消費が早い早い。
お気に入りは、PILOTの 色彩雫いろしずく〈紺碧〉です。
鮮やかな青が冴えます。

夏が苦手、というより大嫌いなので、目に入るもの身に着けるものはできるだけ涼しげなものを選びがちです。

ああこの爽やかな濃いブルー!
たまりません。



最後まで読んでいただきありがとうございました。



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