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書籍紹介4 力と交換様式:柄谷行人

哲学のノーベル賞とも言われるバーグルエン哲学・文化賞を受賞した柄谷行人の本。読むことも大変だが、理解するのにも時間がかかる。ただこれを読んだ後に、では高次元のA(D)という交換様式はどうなるのか、と自分自身に問いただすことができる本でもある。

知らない人もいると思うので簡単に伝えると、この世界は下記のA:B:Cの歴史を作ってきた。

A:贈与と返礼 (旧石器時代ー縄文時代)
B:支配と被支配(弥生時代以降)
C:貨幣と商品(産業革命前後)

ここで自分なりに、自然と人間という概念から考えてみたいと。(宗教とかあまり関係なしに)

Aの時代に関しては、人間が自然の一部であると考えられて、狩猟採集民は自然から恩恵(食料など)を直接受けていた。自然を大切にするということが生きていくこととイコールだったのかもしれない。

Bの時代は、農耕社会に入っていく。人間が自然をコントロールする意識が強くなり、人が自然を徐々に侵食していくのがBの時代かもしれない。

Cになると、自然が生きるためのものであったのが単なる資源として使われるようになり、自然を犠牲として様々なものが生産されて交換されるようになった。いわば、人間は自然を完全に支配してしまったのか。

さて、問題は勝手に向こうからやってくると柄谷さんが言っているDである。

Dは高次元でのA、と説いているが実際にはどういうことか。
気候変動によって、自然との交換の仕方が変わってくると想定する。もしかすると多くの人間が自然災害によって分断がさらに強くなり絶滅の危機に陥り、絶滅の危機に陥った部類が世界を変えるための行動を起こす、それによって新しい交換様式が生まれていくこともあり得るのかと感じた。


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