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時短ワーママ、リーダーになってマミートラックについて考える。

我が家には4歳と1歳の子どもたちがいる。
私は今年4月に下の子の育休から復帰して、1時間時短勤務をして働いている。

職業はシステムエンジニアだ。新卒で入社し、今年で10年目になる。2回の産休育休を差し引いたら、勤務していた期間は7年ちょっとだ。

子どもたちの急な体調不良に翻弄されつつ、夫と協力して家庭と仕事を両立…できているのかよく分からないが、なんとか回している。

復職から半年経ったわけだが、最近の会社での出来事と思うところを書いてみる。

チームリーダーになった

10月からチームリーダーになった。それまでリーダーをしていた方が異動になったため、私がその椅子に座ることになったのだ。

私の今後のキャリアプラン的には、プレイヤーとして技術を磨くよりも、管理職路線を希望している。(技術力がへっぽこだから…泣)
それは上司にも伝えていたので、リーダーの椅子が空いたタイミングで上げてもらえた…という訳だ。

リーダーを希望していたのは間違いないが…今のタイミングとは正直思ってなかった。時短勤務だし、残業できないし、急な休みもある…。役職なしでもギリギリで生きてるってのに、リーダーなんぞできるのか?という不安があった。

しかし、今断ったら次にいつチャンスが来るか分からない。「キャリア形成の半分は運」的な話も聞いたことがある。上司がGOサインを出してくれてるなら…と、ありがたくその椅子に座らせてもらうことにした。

もともと持っていたプレイヤーとしての業務はそのまま継続。そこにリーダー業務が乗ってきた感じだ。時短勤務なので、もともと使える時間はカツカツだ。それは上司も分かっているが、そこを上手くやりくりすることを期待されているっぽい。

幸い、メンバーの皆さんは技術面でもコミュニケーション面でもスキルが高いので、私が細かくフォローせずとも仕事は順調に進んでいる。ありがたい、ありがたい…。

しかし、現状維持しているだけでは評価されないのが現実。今よりもチームの生産性を上げるような取り組みをしていかなくてはならない。あわわわ…。ぼちぼちがんばるか…。


グループ長の打診まで来た

こんな感じで、リーダーになって1ヶ月はばたばたと過ごしていた。幸いこの1ヶ月は子どもたちの体調が安定していたので本当に助かった。

そんな矢先、数日前に上司と面談した時にびっくりすることを言われた。

「グループ長、やってみない?」

グループ長はチームリーダーの更に上のポジションで、2,3チームから成るグループのマネージャーだ。もちろん今すぐにではなく、チームリーダーの経験を積んだ後…1年後くらいに…ということらしい。組織再編でグループが分裂するだろうから、新しくできるグループのグループ長にねじ込めるかもしれないそうだ。

私は入社して以来ずっと同じ部署にいたので、1年後くらいを目処に別の部署へ異動をする話が人事から来ていた。つまり、横の異動だ。上司は気を利かせて、横の異動だけでなく縦の異動の選択肢もくれたのだ。私が管理職路線でのキャリアアップを希望していたからだろう。なんという神上司…とてもありがたい。ハードルは高いが、グループ長に挑戦してみたい気持ちはあるので素直に嬉しかった。

…そう、とてもありがたいし嬉しいのだが、グループ長の話は断った。

ネガティブな理由とポジティブな理由がある。

私が知る限り、グループ長のみなさんはよく残業している。私の上司のグループ長も定時退勤は滅多にない。それに、社内で時短勤務でグループ長をしているという人も聞いたことがない。私の今の働き方では、チームリーダーが限界だと思ったのだ。再来年には上の子が小学生になる。いわゆる「小1の壁」を突破するために、更に勤務時間を短くするかもしれない。そんな中でグループ長を務めるのはハードルが高すぎる。これがネガティブな理由だ。

一方、ポジティブな理由もある。
今の私は縦の異動より横の移動がしたいのだ。私はずっと同じ会社の同じ部署で働いていたため、専門性の幅が狭いと感じている。社内で転職するような感覚で、部署移動をして専門領域を広げたい。今の会社に留まるにしても、転職するにしても、複数の領域の経験があった方が強みになるのでは…という期待からだ。
(今の分野でスペシャリストとして技術を極めるやる気も資質もないから…という消極的な理由もあるが)

…私は上司に感謝しつつも、以上の2つの理由を添えてお断りをした。

「時短でグループ長は厳しい」という点については、「確かにね…」という返答だった。「こうすればできるよ!」的な返答を少し期待していたのだが、そう甘くはなかった。いずれにしても、部署異動優先という結論になったので、時短問題はそれ以上深掘りされることなく面談は終わった。


時短勤務とマミートラック


マミートラックという言葉がある。

https://www.asahi.com/sdgs/article/14732621


マミートラックの「トラック」は陸上のトラックのことだ。ずっと同じトラックをぐるぐると走るばかりで抜け出せない…つまり、ママ用に用意された業務から抜け出せない状況の比喩だ。

ありがたいことに、上司や会社は私をマミートラック状態にせず、他のメンバーと同じようにキャリアアップの機会を与えてくれている。しかし、残業を前提としたポジションは時短勤務者にとってかなりハードルが高い。うちの会社はマミートラックとまでは行かなくとも、選べるルートが制限されているように感じる。

私の会社の場合、グループ長より下のポジションの社員は残業が少ない。なので、時短とフルタイムの勤務時間の差は少ない。…少ないだけで、差があるのは事実だ。使える時間に差があるということは、出せる成果にも差が出るはずだ。しかし、特にチームリーダーになってからは、フルタイムと同等の成果を求められているように感じる。使える時間の差を埋めるための工夫は本人に委ねられている。役職なしのメンバーだったころは、割り振られる仕事量が勤務時間に見合うように調整されてると感じていたが、リーダーはそうもいかない。なんとか1ヶ月がんばったが、今後もがんばれるかはちょっと不安だ。

時短の人がフルタイムと同等の成果を出しても、特別に評価されることもない。逆に成果を出さなければ評価されない。プロセスよりも成果を重視される職位なら尚更だ。
たった1時間の差なんて、誤差と思われているのだろう。でも、その1時間は大きいと思う。
時短勤務者が上の職位に行くのが難しい理由の1つはこれかもしれない。

逆に、その時間の差を帳消しにするほどのスキルを獲得すれば、更にレベルアップできるだろう。時短勤務はゲームで言うと縛りプレイだ。装備を制限されるからこそプレイヤーのスキルが試される。現状は変えられないのだから、むしろレベルアップのチャンスをもらってると捉えてがんばろう。(そう思わないとやってらんない)

管理職の長時間労働の改善、時短勤務者の評価の仕組みの見直し…これらが本当の意味でマミートラックをなくすために必要だと感じた。


…色々と愚痴を書いたが、リーダー業務は大変だけど楽しい。メンバーの皆さんと協力して良いチームにしていきたい。もっとがんばりたい。
もやもやは抱えつつも、今できることは自分の仕事を精一杯こなすことだ。来週もがんばろう。

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