【アイディア#28】子どもに予算という概念は必要?
ご家庭でお子さんと試していただきたい、ちょっとしたフィナンシェ(金融家)なアイディアをご紹介します。今回は「予算内で買い物」です。
みなさんは普段の買い物のときに、予算を設定する頻度はどのくらいありますか。企業や国も予算がありますよね。家計で予算を設定している方もいらっしゃるかもしれません。
決められた金額内で本当に欲しいものを考える力は、大量消費・大量廃棄の時代に「物を大切にする」発想にもつながるのではないか、そう思っています。
■ 算数の課外授業にも?
4歳と7歳の子どもたちには、年間で使えるお金を一度に渡しています(詳細は下記をご覧ください)。
これとは別に、旅行のお土産、学校の工作用素材、絵本や児童書、長時間車に乗る時に食べるお菓子などには親がお金を出してあげる、というルールがあります。NeedsとWantsの考えでいうと、Needsに近いものに対してが多いです。でもなんでも買ってあげるよ!ではなく「●●●円までに収める」という予算型です。
お土産であれば2,000円、お菓子なら250円、などといった具合に親が予算を設定します。すると、子どもたちは、決められた金額の中で、いかに自分の満足度の高い買い物をするか、頑張って考えるのです。
このお菓子を買うと、残りはこっちも買えそう。でもあのお菓子の方が美味しそう…。そうだ、あれは妹に買ってもらって私のものと何個か交換してもらおう。
と言った具合に、買うものを慎重に選んでもらいます。予算があるため、金額を足したり、引いたり・・・を繰り返す必要があり、ちょっとした算数の練習にもなりそうです。いわゆる算数の課外授業でしょうか。
年齢が上がったこともありますが、「これ買って!あれも欲しい!」だったのが、何度か繰り返していくと、子どもから「今回は何円まで買っていいの?」という聞き方になってきました。
(頑張って「予算内で欲しいものを」というゴールに挑戦!)
■ でも、親にとっては忍耐の時間
残念ながら、この方法には1つ欠点があります。それは、とにかく時間がかかる! ということです。ちなみに、2人の娘たちが考え続ける時間は、長くて45分くらい…! 保育園や学童帰りの時間帯にはオススメできません。
なぜなら、「本当に欲しいものは何か子ども自身に考え抜いてもらう」という趣旨なのです。そこで、私が試すときには下記のことに注意することにしました。
① 口出しはしない!
親は「こっちにしたら?」とか「これはダメだよ」とか途中で口出しはしません。
②過去のことは話してもOK
「前買ったあれはまだ使っている?」「こないだのは、あまり気に入っていなかったよね」と過去を思い出してもらうことだけは、良くやっています。やはり、買ったけど使ってもらえていないものの存在は思い出してほしいからです。
③ルールは事前に伝える
もし買ってほしくないものがあれば、選ぶ前に伝えます。「お菓子でも、おもちゃがついている物は買わないよ」というように、事前にルールを決めることが子どもの不満を生みにくいようです。
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買ったものは大切に使ってほしい。でも、その想いを子どもたちが体現してくれている割合は感覚的に20%くらいです・・・。結果的に100%に近づいてもらえるよう、継続的に「とことん悩んで買う」練習を続けていこうと思っています。
このクリスマスから年末年始は、子どもがお金を使う機会が増える時期でもあります。今回の冬休みには、家族で相談して予算を決め、その中でお子さんに買い物をしてもらうのはいかがでしょうか。
フィナンシェの会では、「お金がどこからきて、どこへ行くのか」という流れを意識した金融教育を目指しています。他にも、日常生活で子どもとお金のことを学べるさまざまなアイディアをご紹介しています。宜しければ他のアイディアもぜひご覧ください。