
Music × English なエッセイ 【19】
今回の動画
愛しているが愛されない(もしくは望むように返されない)隔絶感や疎外。
絶望の小宇宙って感じの映像世界。
格差社会が進行してきて、昔観たときよりもリアリティ(つまり自分よりも年下の青年層が感じる孤独って、こういう音像ではないかと…海外だけでウケていたのかな当時?)は増強しているような。
元は女性アーティスト(Feist)の楽曲があって、それを彼がカバーしたのがこの動画になったそうで。
Limit To Your Love
歌詞(これだけをループしています)
There's a limit to your love
Like a waterfall in slow motion
Like a map with no ocean
There's a limit to your love, your love, your love
There's a limit to your care
So carelessly there
Is it truth or dare? 【※】
There's a limit to your care
by James Blake
試訳
君の愛には限度(隔たり)がある
例えばスローモーションで落ちる滝みたいな
あるいは海の枯れた地図のような
君の愛には制限がかかってる、君の愛には
君が気にかけるさまは限定的だ
あまりにも無造作にそこに在って
ここは真実かな、挑戦かな? 【※】
君のケアには疎外を覚えるよ
訳出にあたり考えたこと
Truth or dare ? 【※】の部分
歌詞の該当箇所に目印と下線リンクを張っておいたんですけど、海外の遊びの名称らしいです。
海外の友人に、「だるまさんがころんだ」とか、「かごめかごめ」のルールを英語で教えろって言われたら、結構難易度高いですよね?
自分の英語力は棚に上げて(苦笑)、指示に従わないといけないという意味では、日本だと王様ゲームみたいなものだろうか(汗)?
しかしここで展開したいのは、当然ながら宴会芸ではありません。
大真面目に、ほつれかけた恋愛空間で行う質問なわけです。
リンクに載っているルールを展開してみると、彼女がもしも「真実で」と応じたとき、子供の頃のように真実についてふざけた問いをするのが仲良しのすることでしょう。
しかしこの歌詞がしんどくさせるのは、
君は僕を愛しているのか、とか、
他に相手が居るのか、ということを
「訊いたらやばい」とわかっちゃいながら、
彼は直球で訊いてしまうだろう(仮)ということです。
上記の言葉遊びのルール通りに。
いや、映像世界からしてそう。
リンゴが飛び交って、グラスの水が鳴動してしまうほどの異空間。
ニュートン物理学その他、世界を司る理が全て通用しない不条理。
というくらい、彼女の(欠けた)愛情を受けたいんだねジェームズ。
それが存在しないことがいかに空虚かを示すために、世界のルールまで歪めてしまうのだろうなと。
これはもしかしたら真実を訊いてしまった後の世界なのかも。
後悔先に立たずというような。
いや、やっぱ訊きだそうと思って訊く前に悶々としているところかな。うーむ。
あなたはどう解されますか?
ご参考(聴き比べのため、原曲)
彼女のが原曲らしいのだけど、ジェームズ・ブレイクのほうが、愛する人との隔絶感が圧倒的だと思うのは僕だけでしょうか。
▷共同マガジンの紹介
ご縁が拡がって、2つの共同マガジンに参加させていただいております。
参加者の皆さんは、日々、多彩な作風で投稿をなさっています。
もしよろしければ、こちらから↓ご覧になってみて下さい。
▷自分のマガジン紹介(併せて聴きたい?)
過去の10記事ひと単位でまとめております。
もしよろしければ、併せてご覧になってみて下さい。