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English × Music なエッセイ【47】



今回の動画

Evil Woman

題名はそのまんま邪悪な女だが。
邪悪なのになぜノリノリなのか。
いつもの通り勝手に解釈してみると、最後の一行が大事なような。


歌詞

[Intro]

Ha, ha
Ha, ha
Ha, ha
Ha, ha

[Verse 1]

Hey, woman, you got the blues
'Cause you ain't got no one else to use
There's an open road that leads nowhere
So just make some miles between here and there
There's a hole in my head where the rain comes in
You took my body and played to win
Ha, ha, woman, it's a cryin' shame
But you ain't got nobody else to blame

[Chorus]

Evil woman
Evil woman
Evil woman
Evil woman

[Verse 2]

Rolled in from another town
Hit some gold, too hard to settle down
But a fool and his money soon go separate ways
And you found a fool lyin' in a daze
Ha, ha, woman, what you gonna do?
You destroyed all the virtues that the Lord gave you
It's so good that you're feelin' pain
But you better get your face on board the very next train (Train)
(Hey, hey-hey-hey)

[Chorus]
繰り返し

[Verse 3]

Evil woman, how you done me wrong
But now you're tryin' to wail a different song
Ha, ha, funny, how you broke me up
You made the wine, now you drink a cup
I came runnin' every time you cried
Thought I saw love smilin' in your eyes
Ha, ha, very nice to know
That you ain't got no place left to go

[Chorus]
繰り返し

Evil Woman by Duran Duran



試訳

[Verse 1]

ヘイ彼女(古?)憂鬱そうだね
利用価値のある他の奴が見当たらないから
あるのは袋小路への開けた道
なので ただあちらこちらと寄り道してるんだろ
僕のおつむには雨の吹き込む穴があるよ
君は身体のほうだけ取って 翻弄し勝った
ハハハなんてこったい
でも君には 責める相手も居ないよな

[Chorus]

邪悪な女
悪い女
魔女
なんて女だ

[Verse 2]

よその街からやってきて
一山当てるが、なかなか安定できない
だが愚者と金とは、じき別々の道を歩みだすものだ
そして君は、まどろんで寝ている間抜けを発見した
ハハ、女よ君はどうする?
君は神が与えたもうた善徳を全てぶち壊した
痛みを感じているようならいいことだ
すぐ次の列車の車窓に居なよ

[Chorus]

繰り返し

[Verse 3]
邪悪なひと 君は僕に不当な仕打ちをした
なのに今や あなたは別の歌を歌おうとしている
ハハ、笑える、どんだけ僕を狂わしたか
君はワインを醸造しながら、さっさと紅茶に切り替える
君が悲鳴を上げるたび馳せ参じてきた
君の瞳の中に愛が微笑むのを見たと思った
はっはあ… わかってとてもよかったよ
君にはもう行く当てがないんだなって

[Chorus]
繰り返し


訳してて思ったこと


冒頭で立てた仮説(最後の1行が大事?)というのは、Verse 3 の最後ということです。繰り返す箇所は除きます。😅

僕の試訳(私訳の一歩手前)では、「君にはもう行く当てがないんだなって」と訳したのです。

割と冷たく見えますが、実はこれが一件落着なのではないかというひねくれた解釈をしています。

というのは、全編通して、この主人公は悪女に振り回され続けたらしいことが窺えるのです。しかも、色々要求された時・場所でトラブル解決すると、即座によそに行って、夜遊び火遊びの類で、またトラブルメーカーをする(仮)。

トラブルというのはこの場合、単なる小競り合いとかではなくて、色恋沙汰のトラブルかと。😅

あちらこちらに追いついていくんですが、あるとき悪女の目を覗き込んだときに、何か達観のようなものが見えましたと。

どんづまっているという感情が見えたのか、焦りの類が見えたのか、あるいは、きっぱりと不埒な遊びは卒業しようと思ってたのかわかりませんが(このとき主人公の男はおそらく眼中にない😅)、遊び歩いて男を翻弄するのはここで終わりだという幕引きだけは彼女の中で決まっていた。

じゃあ、結局、どうするんだと。
周りを見渡すと、必死に追いついてカバーしてきたやつれた男が手近に居ると。

男としてはやや複雑な心境かもしれないが、選ばれるにはグッドタイミングでそこに居たわけです。そういうニュアンスじゃないかと…。もう行く当てないのならここらで落ち着かないか、という。

いや、小説と違って歌詞は短いし、補助線・伏線の類は全くないんですけどね🥶。

そこらに蔓延る新自由主義っぽく、「行く当てがないのはお前の放埓さが原因だ、自己責任だ、ざまあみろ」というんでは、殺伐とした世界ですよね🥶

作詞者に創作意図を訊いて、いやそのつもりだけど、って言われたらショックですが…😅


おまけとして


デュラン・デュラン、おっさんになる過程でよほど邪悪な悪女に遭遇してしまったのか(違)、この世界のずっと前には、

往年の良曲(グラミー賞もたしか獲ってましたが、名曲なのかは、耽美的として茶化されたりもしてた気がするので)として、

「普通の世界」について歌い上げていましたが。

唐突ですが、遂にトランプ再選してしまいましたね。
彼、れっきとした犯罪者ですよ😅。
皆、日本だと忘れがちだけど。

アメリカの分断など見ていると、「普通の世界」が今や希少価値を帯びている気がします。

僕らは刺激に慣れ過ぎて、「かつての異常」を日常にしているかも。
無駄にノスタルジア。


🔵過去作のまとめあります

読んで聴いていただけたら、とても嬉しいです。


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