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優しいだけが愛じゃないのね
このnoteは過去記事のリライトになります
今朝の冷え込みは厳しかった。
ベランダから登校途中の小学生の男の子を見かけた。
その男の子は半袖半ズボンでランドセルを背負って学校へ向かって歩いていた。
『こんなに寒いのに元気だな〜』と思いながら
私はふと、4歳違いの弟の
子供の頃のある出来事を思い出した。
今から50年以上前の話だ。
弟は小さい頃から喘息持ちだった。
特に喘息の発作は夜中におこる。
真夜中でも弟の発作がおこると、父と母が弟をかかりつけの小児科病院に連れて行くので
(母は、その頃は運転免許を持っていなかったので
父が運転して)
私がふと、夜中に目を覚ますと、家で一人ぼっちだったことが何度もあった。
『絶対に風邪をひかさないように気をつけてください』と医者から言われた母は
冬になると弟に服をたくさん着込ませた。
そのころは○ニクロのヒートテックなんかなかったので
ズボンの下にもステテコ(肌着)、シャツも二枚重ね
靴下も二枚重ね
上着も何枚も重ねて
外に出る時は帽子に手袋とマフラー
少し、ぽっちゃり体型だった弟の姿は丸々と着膨れしていた。
弟が幼稚園に入園したとき
幼稚園の制服が一年中半ズボンだったので、母は弟にタイツを履かせて
その上にハイソックスまで履かせていた。
それでも弟は風邪もひくし、喘息の発作も治らなかったけれども。
あまりにも弟の喘息の発作が頻繁にあり
病院通いに付き添う父に
仕事の支障があってはいけないと
50年前に母は(現在85歳)運転免許を取得したほどだ。
その当時は女性が運転免許を取るのはとても珍しかったそうだ
弟が小学校に入学して1年生になった時の担任の先生が母に尋ねたらしい。
『なぜ、あんなに厚着させているのか?』と
母は弟に春の入学時でもたぶん厚着させていたのだろう
母は以前 医者から言われたことを担任の先生に言った。
『喘息持ちなので、風邪をひかない為です』と
母のその話を聞いた担任の先生は
『そうだったんですか、
でも、このまま厚着をさせていたら ますます体が弱くなりますよ』
『〇〇君をもっと薄着にしてください』
『冬でも半袖半ズボンで登校させてください』
『そのためには秋から半袖半ズボンで体を慣れさせましょう。
大丈夫、きっと体が丈夫になれば喘息も治りますよ』と母に言ったらしい。
母は先生のこの言葉にたぶん戸惑ったと思う。
医者でもないのに信用しても大丈夫なのかと・・・
母のその時の気持ちを私は知らないが、
母はその担任の先生の言う通り、弟に厚着をさせるのをやめて
薄着で小学校へ行かせるようにした。
夏が終わり、秋が来てもその年は半袖半ズボンの登校が始まった。
冬になっても半袖半ズボン、靴下も短い靴下で登校し続けた弟。
そのうち薄着の弟は小学校でも、ちょっとした有名人になっていた。
小学1年生のその年は冬になっても弟は風邪をひかなかった。
そして
いつの間にか喘息の発作の回数もみるみるうちに減っていったのである。
そして弟は服が軽くなった分
体も軽くなったのか、動きも活発になって
どんどん元気な男の子になっていった。
いつ喘息の発作が起こるかもしれないと親も子もビクビクしていたのが嘘のように
![](https://assets.st-note.com/img/1731901543-uk1jTaVvxd7b9WCLNq4iQ6oA.png?width=1200)
『〇〇(弟の名前です)の喘息が治ったのはあの先生のおかげだ』と母はよく言っていた。
医学的なことはわからない。
もしかしたら、たまたま喘息がなおるタイミングだったのかもしれない。
でも、やっぱり薄着になったことが弟が健康になった一番の理由だと思わずにはいられない。
先生のアドバイスを受け入れた母も偉いと思うし
親に向かって自信を持って意見を述べた先生もすごいと思う。
50年も前の話だが、その頃の学校の先生は親にとっても一目置かれる存在だったような気がする。
そして先生と生徒と親との関係も今よりは良い意味で垣根がなかったのかな。
もちろん弟は、それからもずっと薄着で過ごした。
弟は、小学校に入学した時は身長が学年でも一番低くて、いつも朝礼では先頭だったのに
薄着になり、体を動かすことが大好きになった弟は
中学生ではバスケットボール部に入ってぐんぐん背が伸びて
バスケ部のキャプテンにもなり
中学を卒業する頃には180センチをゆうに越えていた。
結構モテてました(笑)
母親の立場である私自身も
我が子に対しては不安や心配が先に立って
体の健康だけでなくて他のことでも
子供が可愛くて
ついつい手をかけ過ぎたり
干渉しすぎたり
心配しすぎて
過保護になってしまう。
けれども
親が不安を取り除きたくて いつも先回りして
子供を守るために過保護にすることが必ずしも子供のためにはならないのかもしれない。
時にはそれが厳しい選択でも
優しくするだけが愛ではないこともあるんだな。
そんなことを考えながら
今朝の半袖半ズボンの男の子を見て、かつて喘息に苦しんでいた幼い弟のことをふと思い出した朝だった。
これから寒くなっていきますね。
皆さまも体調にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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