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掌編小説、随筆

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掌編小説と随筆をまとめています。
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#立秋

秋の初めを想う

秋の初めを想う

 立秋。涼風至。暦の上では秋だというのに暑さが残る日々を送りつつも、私は早々と秋風を求めて小さな旅に出た。
 襷掛けをした袖には何の重みも存在せず、故にそれは空と結ばれる。結ばれた空に無弦琴の音を響かせれば、何処からともなく金色の絹糸が漂い始める。空に浮かぶ金糸は千々に切れ、その様は祝福の紙吹雪を思わせる。これが私が感じた立秋の風景の一部である。
 移ろう季節に美しさを感じ、私もまた自然と共に歩も

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辞世の葉書

 八月八日に立秋を迎え、新涼を感じる季節となった、らしい。早朝のかなかなと鳴く蜩の寂しげな声が耳に優しい圧を与える。
 残暑見舞いを送るための葉書を五葉ほど、文机の引き出しから厳かに取り出した。離れた家族に二葉、恩師に一葉、それと書き損じ用の二葉である。また、手紙の書き方や季語が載っている本を三冊ほど本棚から取り出して、机の上に並べた。丁寧な文章を書こうか、それとも粋に句でも詠もうかなどと、本の中

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