グサリと刺さる「人生の短さについて」(セネカ著)を読んで
ただ忙しく過ごして考える余裕がない人、ついついスマホやネットサーフィンなどダラダラと時間を浪費してしまう人。そんな人(私含む)が読むとグサリと刺さる言葉が多かった1冊です。Kindl Unlimited会員でしたら無料で読めます。
人生を短くしているのは自分の生き方のせい
あっという間に年をとってしまった、時間が過ぎてしまったと思うことがあるかもしれません。そんな方にはセネカの言葉が刺さります。
辛辣ぅ〜!!
でも振り返ってみるとダラダラと時間を浪費していることに気付かされます。続けてセネカは以下のように述べています。
そして今の生活を見直さない限り、時間はいくらあっても人生は短くなるのだとも訴えています。
セネカが生きていた時代だと「飲み食い」や「性欲」に身を委ねることが人生を浪費する生き方だったようです。今の時代だとそれに加えて、SNSやネットサーフィンなどなども入るのでしょうね。
他人に自分の人生を使われていないか
周りからの頼まれごとや雑務、はたまた依存されてしまい自分の人生を他人に利用されていないでしょうか。セネカはそんなことにも容赦なくツッコミます。
個人的には以下の言葉がさらに刺さりました。
例えば自分のやりたいことが明確ではなく、他人の手伝いをしながら自分のやりがいにしよう…みたいな。それでいて感謝されないと感情的になってしまう…みたいな。自分と向き合いたくないから他人に尽くすという鋭い洞察を突きつけられたのです。
先のことばかり考えて今を疎かにしていないか
確かに不確定な世の中だからこそ将来の心配をしてしまうのは分かります。しかしながら、まだ来てもいない未来のことばかりを考え過ぎて「今」この瞬間の人生を疎かにしていないでしょうか。
セネカは「未来」よりも「今」の大切さを訴えています。
先日、70歳を過ぎた女性がこんなことを言っていました。
「旦那が仕事を辞めたら二人で旅行に行ったり、温泉に入ったりする余生を考えていた。でも旦那は病気になり2日おきに人工透析を受けなくてはいけなくなり、旅行どころではなくなってしまった。」
この方のお話を聞くとセネカの「今」の大切さを主張が身に染みます。
確かに明るに未来を生きたい。しかし、そのために「今」を犠牲にしていないでしょうか。そんな自分を見つめ直すきっかけとなるセネカの言葉を引用します。
忙しさはいいことか・忙しさが言い訳になっていないか
のめり込むものがなかった私にとって、忙しそうに働きスケジュールが詰まっている人に憧れていました。しかし、本当に忙しいことはいいことなのでしょうか。もしかしたら「忙しく使われている」だけかもしれません。
かけがえのない毎日を大切にする
ではどうすれば人生を有意義に過ごせるのでしょうか。セネカの主張は至ってシンプルです。
さらに具体的な指針として哲学に時間を割くことを薦めています。さすが哲学者(なのか…?)
SNSなど漠然と人生を浪費しやすい現代だからこそ、改めて人生の短さについて考え、自分の人生を再設計するきっかけになる1冊でした。
次に読む本
哲学と宗教全史(出口治明 著)
セネカが「哲学」の大切さを訴えていたため、哲学に馴染みのない私にとって入門となるかなと思った1冊。しかし分厚いらしい…
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