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『自然は恵みと悲劇をもたらす』

ひょんな縁で気づけば、福島のリゾート地・裏磐梯に来ていた

まるで、ソローの『森の生活』に出てきそうなブナの森と山々(ソローが暮らしていたのはブナ林ではなかったとは思うが…)

噴火で飛び出した岩石が溶け出し、青にも緑にも黄色にもなる五色沼はもちろんのこと、とにかく美しい場所だった

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「しかし噴火は私たちに恵みをもたらしました」

3Dシネマのナレーターが流れる

だが、多くの観光客が見ている雄大な風景は、当時の住民の暮らしの犠牲の上に成り立っていた

噴火記念館には、当時の集落や噴火後の集落の様子、地質についての展示がされている



「噴火してるのに、記念してええの?」とツッコミを入れながら、噴火後に集落が湖に沈んでいったこと、噴火によって山頂が二股になったことを知り、
「噴火で地形めっちゃ変わるやん。それで観光地にできたから記念館なんか…?」と1人で勝手に腑に落ちていた

ただ、事実として突然日常が奪われたことには変わりなく、"自然は人智を超える"というのを目の当たりにした気がした

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各地の放射線量を測定する機器があった


裏磐梯に行く前に、『コミュタン福島』に立ち寄り、原発事故発生から今のフクシマについての展示を見てきた

その中で、「ホープツーリズム」という考え方に出会い、引っかかった

福島県は、世界で類を見ない「複合災害(地震・津波・原子力災害)」を経験した唯一の場所。

複合災害の教訓等から「持続可能な社会・地域づくりを探究・創造する」福島オンリーワンの新しいスタディツアープログラムです。

「福島県ホープツーリズム」https://www.hopetourism.jp/about.html

「果たして、地震や原発事故からの過程を"ホープ"と言っていいのか?」

暮らし、経済(特に農林水産業)の立て直しを頑張っ、私が想像できないような血の滲むような苦労をしてきたのは事実だし、前向きに捉えようという一般論を汲めなくもない

けれど、これまでもこれからも傷は消えない
そういった傷を置き去りにしてないのか…?

見過ごされているかもしれない想いを取りこぼさないために、ダークだろうがホープだろうが、ただのツーリズムだろうが、「全部ありのままに、ただ知りたいんだ。」という姿勢を待ち続けていたいと思った福島旅だった

p.s.
ホープツーリズムの考え方には、「ありのままの福島(光と影)」を見てもらうとい意味が含まれていたので、全てをポジティブに変えるというわけではないみたいだった。それでも、ネーミングセンスもう少しなんとかならないかなーと思っている

↓スケジュールに余裕があれば、『東日本大震災・原子力災害伝承館』に行ってから『コミュタン福島』がいいとのことだった


#夏の1コマ


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