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解明していくというよりは裁判対話劇【落下の解剖学】
イッヌ途中ヤバいけど無事
なんならパルム・ドッグ賞受賞してるくらいすごいワンちゃん!
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薬飲まされて朦朧としてるシーンとかどうやって撮影したんだろう。
訓練されてる犬ってのは「疲れている」「ぼんやりしている」とかの指示に従うことができると聞いたけど、ここまでできるの?!
撮影はアメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)やイギリスのRSPCAによる監視がされていると思うからイッヌに危険な行為はなかったはずだけど、ちょっと心配になるくらい演技のうまさ!CGとも思えなかったし。。そりゃあパルム受賞するわ!
※ちなみに過去にPixar作品「カールじじぃの空飛ぶ家」のダグも受賞してるw
あらすじ
妻:サンドラ(サンドラ・ヒュラー)
夫:サミュエル
息子:ダニエル(弱視)
夫が自宅の3階から落下し死亡する事故が発生。警察の調査の結果、自殺ではなく、サンドラが突き落とした疑いが濃厚に。
サンドラは裁判にかけられ、自分が無実であることを証明しなければならなくなるが、夫婦の関係性や彼女の過去の行動が次々と明らかになり、彼女への疑念が高まっていく。
息子ダニエルは、母を信じたい気持ちと、父が殺されたのかもしれないという疑念の間で葛藤する。
自分は裁判にかけられてるのに、凛としている、、っていうかスンってした演技。
どっかで観たことあるーーって思ったらあいつや!関心領域の安室マッマ!!
本作のパルム・ドール受賞により、ザンドラ・ヒュラーは同映画祭における上位2つの賞を受賞した作品(『関心領域』がグランプリを受賞)に主演した女優となった。にもかかわらず、女優賞の受賞は逃したため、「彼女のための賞が必要だった」という声が上がるほど彼女の存在は際立っていた。
タイトル通り、どう落下したらそうやって死ぬのか、みたいな解明する部分は確かに面白かったけど、この作品の大きな見所ポイントとしては【対話劇】ってところかな。
私が圧倒されたのは夫婦の喧嘩シーン!
言い合いがあ・うんの呼吸っぽくてよかったしリアルだった。
もちろん、見せ場である裁判のシーンなんかめちゃくちゃ喋るし、ってか検察側の若坊主がよう喋りよる!!!w
そもそもあっちの裁判ってあんな感じなの?ヴァイサンあんまり弁護してなくない?
世間もこの裁判に注目してて、サンドラは時の人に。
ワイドショーでのコメンテーターの心無い言葉が嫌だったなぁ。
「彼女が犯人かどうかはどうでもいい。作家の妻が夫を殺したと考えるほうが面白い」
だけどこれが世論ってか、実際そうなんだよね。この映画が伝えたい部分でもあるのでは?
人は他人の不幸が大好き。
そのほうが世間は楽しめる。
この作品を観ている自分たちでさえ、サンドラを疑う好機の目で見ている。
何が真実かはどうでもよくて。
あのコメンテーター、ワンシーンだったのにすごいセリフ残していったよな、とただただ関心する。
ひとつだけ納得いかないことがある。
ひとつだけ彼女は嘘をついているような気がする。
息子の弱視については夫の過失であって、裁判の中でサンドラは「最初は憎んだ。だけど数日で許した」みたいな話をしていた。
うちも全く一緒で。
娘が弱視なんです。ダニエルみたいにめっちゃ視えないわけではないけど。
もうすぐ公開するPixar作品「星つなぎのエリオ」みたいにアイパッチしてました。
それ、前夫の過失で。
私は許してません。
サンドラの夫は自分自身を責めて反省が見えたからサンドラは許したのかもしれないけど、うちの場合は前夫は自分のミスだとも思ってないし反省もしてなかったから、、私は絶対許さない。
ついでに本人も許してない。
視力って一生物じゃん。
娘から視力を奪った愚かな行動、考えの甘さ、まじで許さない。
母親ならきっとそうだと思うよ。
許せたとしても彼女が証言したように"数日”では許せないよ。
だから、あの言葉はサンドラが裁判で有利に動くための嘘なんじゃないかって思った。
その弱視のダニエル。
結末は彼に委ねられるんだけど、サンドラが犯人なのかどうかを無意識に追ってしまうけど、よく観るべき点は息子ダニエルの葛藤、心情の変化だったのかなと。
結局サンドラは無罪で勝訴。
夫は自殺だったのか、、、
ってオチなわけなんだけど。
ここまでの証言や戦い方、サンドラの堂々とした姿をみると、サンドラは本当に犯人ではなさそう。だけど夫が亡くなった悲しみは一切なさそう。
だからって犯人かどうかは別問題、、、
結局なんだった?ってことにはなるんだけどそこはフランス映画っぽいなーーって。こんだけ家族や裁判をテーマに深く掘り下げたのにオープンエンディングwww かといってすごくモヤモヤが残るわけでもない。
嫌いじゃないwむしろ好き!
弁護を依頼した古くからの友人ヴァンサンとの関係性とかね、妙にサッパリしている、だけどぎこちなさが残ってたり。そこもくっつくわけでもなく。多くは語らず繊細に自然的な演技で表現する感じもフランスっぽくていい。
イッヌ含め一人ひとりの名優たちのリアルな演技がとてもよかった!
■落下の解剖学
原題:Anatomie d'une chute
監督:ジュスティーヌ・トリエ
製作:Les Films Pelléas / Les Films de Pierre
配給:Le Pacte / ネオン / GAGA
公開:2023年5月21日
ジャンル:サスペンス / ドラマ
鑑賞日:2025年1月下旬
お気に入り度
★★★★☆
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