『2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。これまでの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みおよびマイナス金利政策は、その役割を果たしたと考えている』 日本銀行 2024.03.19 日本 20240320
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2024.03.19までの日本の株式市場は、日本銀行によるマイナス金利の実施、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買い入れ、年金積立金管理運用独立行政法人による資産運用、国立研究開発法人科学技術振興機構による大学ファンド、NISAによる非課税の株式市場への投資によって、底上げされている官製市場となっています。
2016年11月参議院財政金融委員会調査室は、主要国の中央銀行で長期金利の操作は、日本銀行が初めて導入したとしています。
長年、日本の株式市場は、企業への正当な評価を反映しないまま、自民党政権による日本銀行、年金、税金を利用した株式市場への投資が継続され、これによって日経平均株価が史上最高値を更新しています。
このように、国家が中央銀行、年金、税金を利用し、恣意的に株式市場に資金を投入することで、公正性を喪失し、歪んでしまいます。
国家によって歪んでしまった株式市場は、短期的には利益をもたらしているかのように見えたとしても、長期的には破綻することは避けられないものと判断されます。
これは、短期的な利益の追求によって、長期的利益を犠牲にしているものと判断されます。
国家による恣意的な株式市場への資金投入が積極的に行われることで、その作用に比例し、反作用が大きくなることは避けられないものと判断されます。
マイナス金利解除に伴う問題を回避するために、日本銀行は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を撤廃し、大量の国債買い入れを今後も継続すると約束し、金融正常化に伴う長期金利の急騰(債券価格の急落)などの混乱を防ぐとしています。
日本銀行は、『日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています』としています。
2023年4月就任時、植田和男日本銀行総裁は、岸田文雄首相と会談し、共同声明を直ちに見直す必要はないとしています。
自民党の岸田文雄首相及び、日本銀行は、日本銀行がマイナス金利解除を決定したとしても、持続的・安定的な物価目標の重要性は変わらないとして、共同声明の廃止や早期の見直しはしない方針としています。
こうした取り組みが、日本銀行の意図から逸脱し、想定外の結果をもたらすことは、自民党の橋本龍太郎首相(当時)による金融ビッグバン(1996)が失敗したように避けられないものと判断されます。
個々のブロックが相互に作用することで、全体のバランスを保っているジェンガのように、中央銀行によるマイナス金利、かつまた、中央銀行、年金、税金を利用した株式市場への投資が相互に作用し、微妙なバランスを保つことによって日経平均株価が史上最高値を更新しています。
2024.03.19日本銀行は、マイナス金利(マイナス0.1%)を解除し、利上げを決定しています。
また、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)廃止、上場投資信託(ETF)新規購入の停止を決定しています。
この決定に関して、日本銀行は、『2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。これまでの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みおよびマイナス金利政策は、その役割を果たしたと考えている』としています。
2013年から続いた長年に渡る大規模金融緩和政策が終焉を迎えています。
バランスを保つための重要なブロックを引き抜くことでジェンガが一気に崩壊するように、日本銀行によるマイナス金利解除、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)廃止、上場投資信託(ETF)新規購入停止によって、日本の株式市場は、そのバランスを崩し、崩壊することは避けられないものと判断されます。
内閣府経済社会総合研究所は、『日本経済の記録 第2次石油危機への対応からバブル崩壊まで(1970年代~1996年)』の『第3部第2章 バブル崩壊と景気後退』において『1990年に入ると,海外の金利上昇を受けて,長期金利の先行低下期待は急速に薄れ,長期金利の上昇と同時に株価の下落が始まった』としています。
1990年代のバブル崩壊からの日本経済の低迷は、金融ビッグバン(金融システム改革法 1996)などの橋本龍太郎首相率いる自民党政権による政策によって引き起こされたものと判断されます。
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