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ハシビロ先輩にまなぶ

不必要に接近して会話するひとに戸惑う。だいたいみんなそうだと思うし、当の本人は無意識だと思うが。
苦手というより、笑ってしまうからやめてほしいのだ。

このひと、パーソナルスペースが茶室くらい狭いんだろうな、いやカルディかな、みなとみらいのヴィレバンも狭いな、と芋づるに妄想が始まる。

しかし、ソーシャルディスタンス、という言葉が耳になじんでからというもの、不必要に離れて会話するひとも現れ、これもまた笑ってしまう。
見えないキャンプファイヤーを囲んでいるのか、いにしえより伝わる糸電話への誘いなのか。

ソーシャルディスタンス、ステイホーム、という言葉を初めて聞いたとき、まっさきに浮かんだのは憧れのハシビロコウ先輩だった。

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凄みのあるまなざしとクールないでたち

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いとしき後頭部の寝ぐせ(冠羽)

動かない鳥、として最近知名度が右肩上がりだが、常に社会的距離を保つ鳥としてもっと注目というかお手本にされてもいいと思う。

アフリカ中央部奥地などの湿地帯に住む、クチバシが大きな大型の鳥。単独行動をとりますが繁殖期はペアで子育て。メスはやや小さめです。基本的に定住型で2~4キロメートルの縄張りで過ごし、湿原に変化がないかぎり移動はしません。動きはゆっくりで長い脚を使って水路を進んだり上昇気流にのって空を飛びます。通常は沈黙していますが、くちばしをカタカタ打ち鳴らすクラッタリングで意思表示をします。
(今泉忠明監修 「ハシビロコウのすべて」より)

ハシビロコウは基本的に単独行動を好み、他の個体が近づくのを嫌がる。互いが接近しすぎると、闘争になってしまうという。

以前、3羽を一つ部屋に入れたところ、1羽が動くと、お互いの距離を保つために他も動く・・・といったところで、いつまでも三角形を描いて ぐるぐる と回っていました
(千葉市動物公園 不思議の国のハシビロコウより)

なんと、人間より完璧なソーシャルディスタンス。

上野動物園には2021年現在で4羽のハシビロコウがいるが、互いに距離がありすぎて遠近法マジックでこんな状態に。

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ハシビロコウonハシビロコウ

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実は2羽いる

Every Little ThingのCDジャケット、大体こんな感じだったと思う。
ボーカルだけ前面に押し出されて、あとの1人(2人)はとても遠くにいるか、ぼやっとしているか、風景に溶け込んでいるか。

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わたし、ソロデビューする

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さあ、ステージの幕が上がるわ

不必要に群れず、不必要に動かず、ぽつねんとたたずむ。
そのクールな生態系はいまだ謎に包まれているが、現代人より現代人っぽい。見た目は始祖鳥やプテラノドンのような、いにしえの姿を保っているように見えるのに。

某物流グループのCMソング、いつかきっと見れるよね(ありえないものの例えともいう)シリーズ「クジラのダンス、北の国のオーロラ、ありんこの涙」に「ハシビロコウの群れ」も追加してほしい。

5年前、上野動物園でパンダのシャンシャンが産まれたとき、こんなポスターが駅ビルに掲示されていた。昔はコウノトリ目だったようだけれど、遺伝子はペリカンに近いことが分かり、ペリカン目に変更されたという。

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さらわれているように見えるのだが

ソーシャルディスタンスの掲示物も、ハシビロコウがにらみを利かせながら距離を取っている様で示してくれたら目に留まる。きっと、妙に説得力があるはずだ。
ハシビロコウが在籍する動物園では、すでにポスターに採用されていると願いたい(願うほどのことでもない)。

ジャケ写繋がりで思い出したのだが、これは友人が北海道に旅したときに送ってきた写真。

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アルバムのジャケ写にありそうだし、バンドのアーティスト写真にも見える。目線そらしているのとか、ベースポジションが見切れているのとか特にそれっぽい。やはり、フロントマンだから角が生えているんだろうか。

それでは聞いてください、オジカメジカの2枚目のアルバム『ぼくたちの草』より、映画『かくかくしかじか』の主題歌で「せんべいはどこへ消えた」。
(※ そんなバンドもアルバムも映画も曲も存在しない)

ハシビロコウは水辺で餌の肺魚を獲るためにじっとしていること多いそうだが、わたしがじっとしているときは大体くだらないことを考えている。

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もはやグラビア写真集

▼ カッコいいだけじゃない、かわいいハシビロコウさんをどうぞ

飼育員さん大好きな掛川花鳥園のふたばさん

わたしもハシビロコウとおじぎしあいたい

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