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30年前、何をしていましたか? 30年後、何をしていますか?

ふとご縁があって夏の終わりは武道館ライブに行ってきました。
自分では買いそびれていたので、まさかの直前で友達の友達から回ってきたチケット。

30年前私が夢中になって聞いていた小沢健二さんのアルバム”LIFE”の一夜限りの復刻ライブで、いや、こういうの行っちゃうのがもうおばさんだよね、と突っ込みを入れつつ、それでもワクワクしました。

なんてったって集まっている演奏家の皆さまがすごい。
30年前から時を超えて、演奏家たちが一堂に会するなんて。

当日は九段下の坂道から「チケット譲ってください」の人たちがいて、そして武道館の前には”30年後の未来の武道館にいます”とのコメント。
来る人たちはもちろん年齢層高めなんだけれど、何が驚いたって子どもが多いのです。

満員の武道館の1万3千人のうち、なんと千人が子ども。
ライブ中にも赤ちゃんの泣き声が聞こえていて、そんなライブってあるんだろうか。
未来と過去が交差しあう不思議な空間。

私の家族は残念ながらはまってくれなかったけれど、友人は一家4人(うち子ども二人)で台風にもかかわらず九州から上京してきていたし、家族でスキって人案外多いんだなと思うと感慨深い。

*****

30年前、私は田舎の女子中学生で、早いところここから出て広い世界に出たい、人生をなんとかしたいと思いながら鬱々とした日々を送っていました。
何が楽しかったって、本とマンガと友だちとのおしゃべりです。多分。

そして今、30年後に私はまた人生に迷い、まさかの専業主婦になって人生について何とかしたいと思い過ごしています(笑)
時間だけはまずまずあるので、本を読んだりマンガを読んだり、そして友達と話すことが楽しいです。


え、まさかの何も変わってない説・・・・・。


もちろんそんなことはないのですが、何だか30年前に好きだった音楽をきいていたら、自分の30年間が走馬灯のように思い出されてきました。
良かったことも、辛かったことも、予想外なことも、たくさんあったなと。

歴代の恋人とか、人生のどん底だった日々とか、子どもが生まれた日のこと、無我夢中でがんばっていた頃。
普段は思い返さないシーンが頭の中をサーっと過る。

思い返すとあぁ私まずまず良い人生送っているのじゃないかな、とふと。
上手くいかなかったことはたくさんあるけれど何とかなったことも多いし、いろいろあるということは、たくさん頑張ってきた証でもある。

豊かな人生という定義は人によってそれぞれだろうけれど、私なりの豊かさの定義に従えば豊な人生のような気がします。

何かをたくさん持っている人生だったり、成功していると言うことではないけれど、良い経験も辛かった経験も今の私を形作っている。

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何より売れっ子絶頂期に消えてしまった小沢健二さんが、10数年たって日本に帰ってきて、そして思い思いの新しい創作活動をやって、50歳を過ぎて武道館をいっぱいにしている。
30年前に素敵な時間を共有した仲間と、30年後に奇跡的な一夜を過ごしている。子どももたくさん来ていて、それって夢があるなぁと。

30年前は誰も想像できなかった未来が待っている。

私は30年前には存在すら知らなかった人と家族になって、子どもまで生まれちゃっている。
そしてその子供はもう10歳で、これから自分の人生を切り開いていくフェーズに入っていくわけです。

人生ってあっという間。


次の30年は70代半ばか・・・と思うと少しめげますが(さすがにライブには行けそうにない)、できれば健康で、その時振り返って良い人生だったな、とまた思えるように過ごしたいなと思いました。
願わくば家族や友人たちと楽しい時間を過ごせていますように。

人生っていつもいつもベストシーンと言うことはあり得ないし、そしてそればかりを望むのは間違っていると思いますが、生活の中で、日々の選択の中で、私たちは自分の人生を一歩ずつ確かに歩いている。

自分らしさを失って、そして取り戻して、少しずつ新しい自分自身になっている。

長い目で見たら何が良かったのかわからないけれど、大きくとらえたとき何となく人生全体が良くなっている、それが幸せなのかな、と思った夜でした。

読んでくださってありがとうございます。



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