映画『巴里のアメリカ人』(1951)
こんちゃ❗ミュージカルが好きな唐崎夜雨です。
今年は宝塚歌劇や『王様と私』といったステージを観劇して、ミュージカルはステージで見るのが一番だなという気もしますが、フィルムで見るのもいいものです。
だって、いまなおフレッド・アステアやジーン・ケリーを見ることができるんですからね。
本日ご紹介する映画は1951年のミュージカル映画『巴里のアメリカ人』〔An American In Paris〕です。
タイトルくらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。
『巴里のアメリカ人』は、この年のアカデミー賞では作品賞、脚本賞、ミュージカル音楽賞、美術監督賞(カラー)、撮影賞(カラー)、衣裳デザイン賞(カラー)の6部門でオスカーを受賞。
主演のジーン・ケリーはこれまでの功績により名誉賞を受賞。
監督はヴィンセント・ミネリ。
『恋の手ほどき』『バンド・ワゴン』などミュージカル映画で知られる監督。彼は『オズの魔法使い』のジュディ・ガーランドと結婚。歌手・女優のライザ・ミネリの父でもある。
あらすじ
アメリカ人ジェリー(ジーン・ケリー)はパリで絵を描いているが、まだほとんど売れていない。同じアパートにいるピアニストのアダムとは友人である。このピアニストもまだ世の中に出ていない。
アダムの友人には有名な歌手アンリがいる。アンリには恋人リサ(レスリー・キャロン)がいて結婚しようと考えていた。
そんなある夜、酒場でジェリーはリサと出会い恋に落ちてしまう。
楽曲はガーシュイン
『巴里のアメリカ人』の曲はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)。詩はジョージの兄であるアイラ・ガーシュン(1896-1983)。
「An American in Paris(パリのアメリカ人)」、「I Got Rhythm(アイ・ガット・リズム)」、「 'S Wonderful(ス・ワンダフル)」などガーシュインの名曲が使用されている。
う~ん言葉でガーシュインを説明するほどの腕がないので、どんなもんかはYouTubeでも見てください。。
大スタジオ撮影
往年のミュージカル映画のダンスシーンはスタジオに大きなセットを組んで撮影されることが多い。
ダンスのシーンは普通の芝居よりも動きが右へ左へ大きくなる傾向がある。ミュージカルに限らないのですが、こういったハリウッドのスタジオ撮影「感」が結構好きです。
スタジオのセットは舞台芸術に通じる。
時々思う。もしかすると本当は舞台美術のほうに強く興味があり、スタジオ撮影の映画は疑似体験なのかなと。
一般の映画ではスタジオで撮影をしていても、それらしくさせない苦心をされていると思うが、ミュージカルのダンスシーンなどは幻想的あるいは抽象的、換言すれば舞台的であって差し支えない。むしろ現実的でなくていい場合もある。
いま映画に求められているリアルさとはちょっと違うかもしれないですね。
『巴里のアメリカ人』も後半でかなり大がかりセットでパリを表現しているし、なおかつ衣裳も華やかに見せてくれる。衣裳の着数も多そうだ。
華やかな一方で、仮装パーティの場面ではみなさん白と黒の衣裳でまとめている。
『マイ・フェア・レディ』の競馬場のシーンを彷彿させる。いやいやあんなにお行儀良くはないけどね。
レスリー・キャロンはこれがデビュー作。もともとバレリーナで踊れる人。ジーン・ケリーに見いだされて出演するようになったとか。かわいらしいお嬢さんである。先日みた『パリは燃えているか』(1966)ではもう大人の女性になっていた。
パリといえば、カフェ。カフェでコーヒーを飲むシーンがある。たぶんカフェオレかな。コーヒーとミルクのポットを持ってきて客前で両手でカップに注いでいたのはユニークだった。パリではそうするのかな。