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【フェムテックニュース 2024/9/22】 不妊治療技術Fertility Tech/「卵子シェアリング」スタート/妊娠による脳の変化/フェムテックデバイス市場規模

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🗞️今週の1本

不妊治療技術:テクノロジーが女性の健康をどのように変えているか (Femtech World)

出典:Femtech World "Fertility tech: How technology is changing women’s health" by Victoria Roberts (September 20, 2024)

 現在、世界ではおよそ6人に1人が不妊に苦しんでいます。出生率の低下には避妊の普及や女性にとっての選択肢の増加などさまざまな理由がありますが、不妊も一つの大きな要因です。このような状況から、先進的な生殖医療技術への需要が高まっています。

 Fertility Tech(不妊治療技術)は、フェムテックの一分野で、女性の妊娠の可能性を高めることを目的としています。不妊治療技術には、卵子、胚、精子を操作して受精の成功率を高める方法が一般的ですが、最新の医療技術を使って女性の自然妊娠を助けることや、不妊の原因となる健康問題を診断・治療することも含まれます。

<最新の不妊治療技術の例>
・排卵周期のモニタリング・記録
ウェアラブルデバイスやスマートフォンアプリを使用して、生理周期や基礎体温の変化をモニタリング。妊娠に最適なタイミングを把握します。

・体外受精(IVF)技術
データ分析を通して、体外受精の成功率を向上させます。

・卵子凍結技術

・子宮腔内人工授精(IUI)技術

・内視鏡手術(子宮鏡・腹腔鏡)の向上
不妊の原因となる卵巣や子宮の病気を診断・治療します。

・レーザーによる孵化補助法
胚を包む透明帯に小さな穴を開け、孵化しやすくします。


 さらに、AI(人工知能)などの新しいテクノロジーが、不妊治療技術の質の向上をもたらすことが期待されています。AIは、健康な胚の選別、精子の分析、個人に最適化された不妊治療アドバイスの提供などの分野で役割を果たすことができると期待されます。不妊治療技術の向上は、妊娠を希望する女性の健康状態を向上させ、不妊に悩む人々により多くの選択肢を与えるでしょう。


🌐フェムテック・女性ヘルスケアニュース

Apricity Fertilityが「卵子シェアリング」をスタート(イギリス🇬🇧)

 不妊治療クリニックを運営するApricity Fertilityは、体外受精(IVF)の費用負担を減らすことを目的とした「卵子シェアリング」サービスを導入しました。このプログラムには年齢やAMH値(卵巣の予備能力を示す数値)などの条件を満たした人が参加でき、採取された卵子の一部を参加者自身の不妊治療に使用し、残りの卵子を提供することで体外受精を少ない費用負担で受けることができます。このサービス導入の背景には、高額な体外受精の費用と卵子ドナーの数の不足があります。

"Apricity Fertility unveils innovative egg sharing programme" (Femtech World)

※イギリスにおいて体外受精を含む不妊治療は保険適用で行える可能性がありますが、保険適用の対象となるためには厳しい条件があり、費用負担が問題となっています。特に、同性カップルのIVFの費用が保険適用の対象となるためには、自費で複数回の人工授精を行って不妊であることを示す必要があるなど、異性カップル以上の障壁があります。

妊娠は脳の特定の領域を構造的に変化させる

 最新の研究によって、妊娠が脳の特定の領域に構造的な変化を引き起こすことが発見されました。妊娠中に脳の特定の領域が縮小する可能性があるものの、脳の認知能力は維持または向上するとされています。この変化は、母親としての行動や感情の調整を助けるためだとも考えられています。

"Pregnancy changes the brain more than previously known, study finds" (CNN)

世界のフェムテックデバイス市場規模が拡大するとの予測(グローバル🌎)

米リサーチ会社Technavioの調査レポートによると、全世界のフェムテック機器市場の規模は、2024年から2028年にかけて86億米ドル、年平均成長率にして12.93%成長すると予測されています。このレポートは、女性の健康分野における、ウェアラブル機器や診断機器を含むデバイスの市場を調査したものです。

"AI-Driven Femtech Devices Market to Grow by USD 8.6 Billion (2024-2028) as Infertility and Obesity Rates Rise - Technavio Report" (PR Newswire)


📎おわりに

 本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

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