■なぜ落語には講談で人気の「忠臣蔵」「太閤記」が出てこないのか?『教養としての落語』
『教養としての落語』を読みました。
慶応大学を卒業してからワコールでサラリーマン経験もある
高学歴落語家の立川談慶さんの著。
関西で暮らした子ども時代には、
土曜の昼間に放送されていた「吉本新喜劇」とともに
月に一度金曜日深夜に放送されていた「枝雀寄席」に
抱腹絶倒していたものです。
大親友の三遊亭楽麻呂師匠と出会ったのは、
30年近く前にもなるでしょうか。
以来、ちょこちょこ寄席や独演会に足を運び、
人気噺に笑い、人情噺に涙ぐんできましたが、
そういえば落語の成り立ちや日本にとっての意味を
学んだことがないなぁ、と手に取った一冊。
いゃあ、面白かった。
僕が落語にハマっている理由がクリアになりました。
何より古典落語に「忠臣蔵」がないワケには
思わす膝を打ちました。
なるほど!
落語には人殺しは出てこない。
不忠臣にもあたたかい眼差しを向ける。
落語には、ギスギスした話はなく、勝ち負けもない。
「上手に負ける」あるいは
「結局引き分け、どっちもどっちだよ」という話がほとんど
とか。
なぜならば、
上流階級の遊びであった能や狂言、
権力者のプロバガンダに使われた講談と対極で
落語は一般庶民の生きる知恵だったからというのです。
誰かを批判・中傷し、傷つけるのではなく、
包み込もうとする優しさに溢れている。
人間の弱さや駄目なところも受け入れ
共感を大切にするところ。
まさに、亡き談志師匠の言う「業の肯定」が落語の本質ですね。
お勧めの一冊です。
すべては、日本の上司を元気にするために。
▽備忘録は
前川孝雄のはたらく論
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