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たかがプレゼンされどプレゼン?高校説明会で母娘バトル勃発

娘トラの中学校で高校説明会があった。

上のつぶやきの通り、わが子のことよりも自分が傷つくことばかり恐れるダメ親な私。
ところが恐る恐る出席した説明会は各教室ごとに席順が決められており、ママ達の雑談はほぼ不可能というありがたい状況。
おかげで顔見知りに遭遇しても挨拶だけで済み、事なきを得た。

さて、高校説明会はオープンスクール(以下OS)と同じで営業トークだとは理解しつつも、説明を聞く中で色々と思うことがあったのでレポートしてみる。
(特定防止のため内容を少し加工しています。また都会の進学事情とはかけ離れた地方の価値観が含まれます。)


私立X高校

まず1校目は私立X高校。
県立が残念だった時はお世話になる予定の高校だ。
マンモス私立だけあって、学校案内のパンフレットが入った分厚い封筒が配られた。
プロが製作したと思われる学校紹介動画、広報担当によるプレゼンも素晴らしかったが、やや盛り過ぎな感もありお腹いっぱい。

一方参加した保護者からは、コース選択や部活に関する質問が盛んに出ていた。
今どきの保護者は私立に対するマイナスイメージが薄いのか、そんな所にもジェネレーションギャップを感じる私。

国立高専

2校目はトラの志望校である県立B高校…のはずだったのだが。
直近の公開模試で立て続けにTOP100入りしすっかりピノキオ化したトラは、最近になり「B高校は志望校から外す」と宣言。
当然すったもんだの親子バトルがあったのだがその話は置いといて。

同時間帯にはB高校の他に国立高専と地元C高校の説明会があり、トラは後者に参加したがっていた。
しかし高専への未練を捨てきれない私は「話を聞くだけだから」と高専を懇願。
渋々承諾したトラに「高専は受けないからね!」と釘を刺されての参加だったが、結論から言うと参加して良かった。

高専教授によるプレゼンはどこかアカデミックな品格が漂い、国立教授と高校教員の差を感じずにはいられない。
高専の魅力を理解していたつもりの私も、最新の素晴らしい進学・就職内定状況に思わず横に座るトラを小突いてしまった。

だがトラは、ウザそうに顔をしかめて肩で溜息を吐くばかり。
期待はしていなかったものの、その頑なな態度で諦めがついた。
この心境を失恋に例えるなら、「私の想い人は思った通り素敵な人だった」といったところ。
結果的に高専を諦めるための参加となったが、この説明会で高専を目指す親子は確実に増えたと思う。

県立AB高校(SSH指定校)

3校目は県立トップクラスのAB高校。
わが県では数少ないSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校で、古くからA高校と肩を並べてきた高校だが、学区制廃止で志望者の流れが変わり、最近は2番手と評されることが多い。(とはいえ出口にあまり差はない)
だからなのか、説明会には校長先生自ら登壇。
遠方の保護者の気がかりは入学後の生活面でしょうということで、着席・下校時間、自習室や購買の様子などきめ細かな説明があり、2番手ゆえの熱意と誠意(勝手な想像です)を感じた。

さらに勉強面では、「うちは成績の振るわない生徒でも見捨てません」という神発言。
たとえ営業トークだとしても、通学時間のハンデがある受験生親子にとって救いの言葉だった。
つまり「(ライバル)A高校のようには下を見捨てませんよ」と言いたいのだと思った。(勝手な想像です)

また生徒会が中心となり作成したという紹介動画もなかなか良かった。
ところがトラは「OSの時に見たのと同じでつまらない」と辛口コメント。
自分が乗り気でない高専やAB高校に好感を持つ私への反発心ありありだった。

私立Y高校

私立Y高校は、元々あった高校に中学部が新設されて間もない一貫校。
この時間に他に気になる高校が無くて参加した(学校から5校漏れなく説明を聞くよう指示があった)この高校は、現実的に通える距離ではないため、トラはOSにも参加していない。

説明会は1校目の私立X高校と同様、広告にお金かけてますね~という印象。
高校からの外部入学者向けの補習授業が充実しており、通塾が不要だと盛んに強調していた。
高校3年間でかかる大手塾の費用を考えれば、むしろ安上がりかもしれない。

「Y高校悪くないね、寮になるけどどう?」と聞いてみたところ、トラは「無理」と即答。
「じゃぁ入学金は払わずに、模試だと思って一般入試だけでも受けてみたら?」
と提案すると「もし特待生とかで合格したら、おかーさんが行け行けって大騒ぎするからヤダ!」だそうで。
母の気質を知り尽くしているトラである。

県立A高校(SSH指定校)

最後は県立トップのA高校。
こちらもSSH指定校である。

実は少し前までのトラの本命は、近隣B高校か成績次第ではAB高校か?という感じだった。
ところがOS参加後はすっかりこのA高校に気持ちが傾いている。
トラはA高校の十八番オハコである探究活動の発表が素晴らしかったのだと言うが、実はHちゃんとFちゃんの第一志望がA高校だというのも影響している様子。(言い当てると激怒するので言わないが)

私は、生徒の過半数が貴族みたいな某大附属中出身で、公立中出身者はアウェイだという噂や、あのHママの母校であることからどうもA高校の印象が悪く、一貫して反対派。
平民がギリギリ受かって行くような高校ではないと言い続けている。
しかもHちゃんとFちゃんといえば私の2大天敵ママの子。
あと少しでやっとあの天敵親子から離れられると思っていたのに…。

もっとも、そう易々と入れるA高校ではない。
トラの話を聞く限り、あの2人の成績ではA高校はおろかAB高校も厳しそう。
トラも以前は似たような成績だったが、最近は頭一つ抜けてきており、トラの志望校候補であるAB高校に行けば2人と離れられるだろうと高をくくっていたのだ。

すっかり前置きが長くなったが、ともあれそんな気分で臨んだ説明会はどうしても批判目線になった。

まず説明が教師1年目の新人だったのがどうもひっかかる。
生徒が親しみやすいようにと考えての人選かもしれないが、AB高校は校長先生直々の説明だったのに。
他の高校は学校紹介パンフレットや紹介動画、パワポを使ってのプレゼンだったが、そのどれもが無く配られたのは募集要項の書かれた紙一枚。
懐疑的な見方をすれば、「ウチは営業しなくても上客が集まりますから」といった殿様商売気質なのではと勘繰ってしまう。

また話の内容も、「今年は東大合格者数が過去最高でした」とか「毎年数学オリンピックに生徒を送り出しています」とか。
そのトーク、お得意様の某大附属中で話す内容ではないの?
田舎の公立中でそれを言っても、魅力を感じる親子はほぼいないと思いますが…。

この話に食いつかないヤツはお呼びじゃないということかもしれないが、ますますA高校は我が家にとって場違いだと思う私であった。

県立Z高校(おまけ)

ちなみに、トラがOSに参加した県立Z高校の説明会は行われなかった。
旧学区外で志望者がほとんどいないから当然なのだが、OS後のトラは「やっぱり知らない地区に通うのは嫌だ」と言い、早々にZ高校を却下していた。(OSでもトラは最も遠方からの参加だった)
校風も良く、HちゃんやFちゃんから確実に離れられる高校だっただけにとても残念だが、通うのはトラ本人なのでここは諦めるしかない。

そんなわけで、トラはOSを機にA高校に気持ちが傾き、それに反対する私(夫も)への反発心も加わりますます頑なに。
一方の私は、今回の説明会で一気にAB高校推しとなった。
たかがプレゼンされどプレゼン、実体験に勝るもの無しという見本のような親子である。

この後は、遅くとも冬休み明けには県立の志望校を1校に絞らねばならず、年末年始は親子決戦かと思うと気が滅入るのだった。

長文におつきあいいただきありがとうございました。

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