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鶏口牛後か深海魚でもナンバー校か?田舎は出身大学より出身高校が肝心!?

以前、地元国立大4年になる姪が就活で苦戦していると書いた。

もし姪が理系だったら、もっと学歴を生かせる仕事があったのに…と書いた私だが、その後もう一つ気づきがあったので書いてみたい。(またまた長文になってしまいました😅)


公立に非ずんば人に非ず

昔からわが県は公立信仰が根強く、私立不毛の地と言われる。
最近は部活等で私立高校専願という子が増えているものの、基本私立は県立に落ちた人が行く所のイメージ。

かつて私の周りでも、私立高校(=県立落ち)は一族郎党の恥だと囁かれたり、私立高校卒の男性の釣書は(お見合いが組めないから)預からないと豪語するお見合いおばさんがいたりして、「公立に非ずんば人に非ず」的な空気がそこかしこにあった。

地元国立大は地域ブランド

高校だけでなく、大学受験においても国公立至上主義の傾向がある。
県内に名門私大は存在せず、最高峰は県名を冠する国立大学。(いわゆる駅弁大学)

国立大としては下位ランクだが県内ではそれなりにブランド力があり(理由は後述)、トップ校の生徒にとっては滑り止め、中堅校にとっては本命といった具合に県内の高校生が多く進学する。
この点では、社会的弱者にも平等に教育をという公教育の目的を果たしていると言える。

県外脱出組も本命は国公立

だがそれ以上の大学を目指す場合は、県外に出るしかない。
となると仕送りが必要となるため、どうしても学費の安い国公立が本命に。
これは選択肢の限られた田舎ならではの現象であり、都会在住の医学部志望者が学費の安い国公立を目指し、地方に都落ちするのと似ているかもしれない。

地元国立>早慶

さて、ひとたび県外に進学すると地元に戻る者は少なく、県内には高卒者と地元国立大出身者ばかりが目立つ。
ゆえに地元民にとって最も身近なインテリは地元国立大出身者。(地域ブランド化)
事実、地元民の中には早慶と言われてもピンと来ないが地元国立なら賢いと太鼓判を押す大人が結構いる。(そもそも早慶を出てUターン就職する人はほぼ見かけない)

かく言う私も、一粒種の娘トラには地元国立に行ってくれれば御の字、よほど出来が良いなら医療系学部か近隣の国公立なら行かせてやれるかな、ぐらいに考えていた。
これは私に限らず、大学受験を控えた子を持つ大半の庶民の望みであり、姪などはその通りに進学したのだから孝行娘である。

トップ校の価値

もちろん難関大を目指すべく、高校はトップ校でなければと考える層も一定数いる。
例えば、ハイソな層に絶大な人気があるA高校は県庁所在地にあるいわゆるナンバー校で、県内随一の学力とブランド力を誇る。
しかし過去記事にも書いた通り、今の私の価値観ではたとえトラによほどの学力があったとしても、長い通学時間を割いてまで行かせたい魅力が見出せない。

トップ校あるある

ネット上で見かけるA高校のネガティブな口コミはこんな感じ。(もちろんポジティブな口コミもある)

  • 0限7限当たり前、長期休暇は毎日補習で通常運転。高校というよりは受験予備校。

  • 学校行事は最小限。部活の時間も短く、青春を謳歌したい人には不向き。

  • 教科書の内容は予習済であることが前提。授業はその復習なので1日に何ページも進む。

  • 授業内容は上位3割向け、後の7割は見捨てられる(無視)。上位に食い込む自信がないなら面倒見が良い何ちゃって進学校へ行くべき。

  • 某大附属中出身者が生徒の過半数を占め、内部生みたいに幅をきかせている。それ以外の中学出身者は親子共々肩身が狭い。(トラの小学校時代の友達Cちゃんの中受の理由はこれかも?)

東大や国立医学部を目指す層には何が何でも目指すべき高校なのだろう。
だがそういった明確な目標がないのにA高校ブランドに目が眩みうっかり合格しようものなら、ただただストレスフルな高校生活となるのではないか?
少なくとも、我々凡人にとってそう簡単ではない高校の勉強を手取り足取り教えてくれる所ではないのかも?という印象を受けた。

出口は似たり寄ったり?

もう一つ、私がトップ校にあまり魅力を感じない理由はこれ。(自作の図につき多少の粗はご容赦を)

県内主要高校のHPを元にざっくりまとめた図

口コミにもある通り、A高校の上位の成績は青天井。
しかし下位になると、二番手・三番手校の主な進学先とさほど変わらない。(学部までは不明だが、ほぼ同じ大学名が並ぶ。)
これは少子化によりトップ校といえども成績のバラつきが大きいためで、同様の現象は都市部や名門大学でも起きていると聞く。

トップ校の深海魚か、それとも鶏口牛後か?

さてこれをどう判断するかだが、「たとえトップ校で深海魚となっても環境は大事。必死についていく方が良い結果が出る。」と考える親はいるだろう。
一方の私は、進学も就職も”鶏口牛後”でやってきたタイプ。
実は深海魚で必死についていく方が私には向いているのだが、何かとストレスを溜めやすく不安症でもあるので、自滅を恐れ敢えて緩く生きてきた。

それが正解だったかどうかは置いといて。
少なくとも私と真逆でストイックさゼロのトラには、キツキツのスケジュールは無理。
今でさえ、たった30分の勉強の前におやつ付きスマホタイム30分というご褒美がないとエンジンがかからない享楽ぶりなのだから。(もちろん勉強の後にも自分にご褒美)

こうして表を眺めてみると、往復3時間の通学時間をかけてまでのA高校の魅力が、ますます見つからない私である。


・・・と、ここまで書いたのが数か月前。
そろそろ清書して投稿をと思った矢先、姪から

「県内企業の就活は、ほぼ高校名で決まる。」

という衝撃告白を受けたのだ。

ここからが本題。(前置き長っ!)

高校で落ちこぼれでも就活では勝ち組?

冒頭でも触れたが、わが県のように人の出入りが少ない田舎県は、住人の大半がネイティブな地元民。
都会ほど大学進学率が高くないのもあり、出身大学よりは出身高校で人を判断する傾向がある。
それは私も肌で感じていたが、大学時の就活にまで影響するとは思いも寄らなかった。

上の図にある通り、姪は三番手校であるC高校から地元国立大文系学部に進学。
C高校では受験成功組になるが、これがA高校だと不本意な進学に相当するようだ。
事実、姪がトップ校出身の同期生に高校名を褒めると、皆が異口同音に「自分は高校の落ちこぼれ」と自虐していたらしい。(多少の謙遜はあるだろう)

ところが就活の結果はというと。
姪の大学の同期で地元大手から早々に内定を勝ち取っていたのは、A高校を始めとしたトップ校出身者ばかり。
また姪がことごとく落とされた企業から内定を貰っていたのも、やはりトップ校出身者だったそうだ。

それはあたかも高校のレベル順に採用が決まっていくかのようで、姪はこの時ばかりは「早起きしたくないから近くの高校でいいや」と安易に進路を決めた自分を恨んだと言っていた。

地方の就活は、ほぼ高校名で決まる!?

もっとも同じ大学・同じ学部出身なら、何ちゃって進学校出身者よりトップ校出身者を採用したくなる企業の気持ちはわからないではない。
トップ校出身であれば、無気力、不真面目、ルーズといった組織にとってお荷物となるような人物をある程度回避できるからだ。

またこれも私の何となくの主観だが、トップ校出身者の方が教養が高いような気がするし、試験慣れしているので就活のペーパーテストで高得点が取れそう。
或いは天才秀才に揉まれながら高校時代を過ごしたおかげで意識レベルが高く、面接で好印象だったりするかもしれない。

そもそも地元企業の幹部や人事部にはトップ校OBが多いはず。
そうでなくともトップ校出身者を採用した方が社格が上がると考える幹部は多そうだ。

高校受験は鶏口牛後じゃダメ?

そんなわけで、姪のひと言によってわが子の進学や就職への認識を大きく覆されてしまった。
これまでは「ギリギリ合格でもいいからトップ校へ!」と躍起になる親子を、見栄っ張りだなぁと思っていたが、トップ校卒の肩書が就活で有利と知った上での判断なのだとしたら、私などより何枚も上手な人々ではないか!!

私もトラも、高校は無理なく入れて無理なく通え、勉強も青春もほどほどに謳歌できる地元の高校が良いのではという考えだったが、出身高校が大学の就活をも左右するのであれば、もっと真剣に話し合う必要がありそうだ。

しかしテスト前日でもスマホタイムを削らないわが子に、数年先の就活をリスクヘッジする分別があるとは思えない。
それでなくとも終わりの見えない反抗期真っ只中である。
果たして親の思いが伝わるだろうか、建設的な話し合いが出来るのだろうかと、親子関係の方が悩ましい母なのだった。


長文にお付き合いいただきありがとうございました。

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