高橋洋一著(2023)『老後資金2000万円の大嘘』宝島社
知らず知らずわたしたちが刷り込まれていることを改めるきっかけになる本
入院中に病室で読むために、できるだけ簡単なKindle本をチョイスしてみた。わたしがこの手の本をあえて読むのは、説明が難しそうな事象を、どのように言語化して説明しているのか、その簡潔さを身に着けたいため、簡単なものをあえて読んでいます。
どうしても個人的に書く文章も難しい表現だったり、自分で選ぶ言葉や用語も一般の人には難しかったりするのが、研究者の性というもので、それを極力わかりやすく伝えるための材料として、専門書以外の本もたくさん読んでいる次第…
さて、段々と自分が高齢になってくると、年金や老後資金は気になるというもの。
本書は、これら気になる年金問題、老後資金、国債、住宅問題、日本経済に関する話題で、マスコミやテレビのコメンテーターなどが煽る内容に関して、その嘘と本当を簡潔に説明する形式でページが進んでいく。
ここに書かれていることは、自分で調べようと思えば簡単に調べられる内容ですが、多くの人は自分で調べようとすることは少ないので、誤った内容を思い込んでしまっていることも多いはず。
本書はその嘘を暴き、真実とは何かを明示している。どの項目も、最初にその嘘と真実が並べて掲載されており、なぜそうなのかの解説を読みやすく構成されている。
どの解説も、ごもっともで特筆すべき項目もあまりないけれど、日本の賃金が何故伸びないのかは、この解説をきっかけにもっと知られても良いはずだと思う。
全体的に、世の中の事象を広く浅く感じるには程よい内容かと思われる。