清水亮著(2023)『教養としての生成AI』株式会社幻冬舎
この本は生成AIをもとに書かれたそうです
たまたま仕事でも生成AIのガイドライン作成に関わっていることから、必然的に生成AI関係の本を多読しています。本書もその中の一つで、kindle版で読んだ次第。
本書は著者が言う通り、最初は生成AIに本のたたき台のような内容を生成してもらい、その内容を精査する中で本全体が完成されたそうである。本書の最後には、そのような著者の本の完成までの道のりで、生成AIの内容が著者自身の言葉で置き換えられ、最終的には本そのものは自身の語る言葉と同等になっていったそうである。その意味では、これからの本というものは、生成AIの土台の上で、自身の才能を切磋琢磨して、自分のものとした時、新たな作品となって世に発せられるかも知れない。
さて本書の内容に関しては、個人的に生成AIの本を読みまくっていたせいか、あまり目新しい内容はなく、プロンプトにしても新しい知見のようなものはなかった。入門的に本書を読んだ人には「教養として」のレベルを感じ取れるかも知れないが、個人的には出版時期が遅い気がして新鮮さに欠けているように感じた。
本の途中には「シーマン」など懐かしいコミュニケーションゲーム等の解説もあるが、何となく焦点がボケている感じもする。まあ何となくざっくりと生成AIの基礎的事項がわかれば「教養として」の内容を凌駕するのだろう…
個人的には少々がっかりした生成AIの本でした。