パク・ソンヒョク著(2022)『勉強が面白くなる瞬間』ダイヤモンド社
自分を信じることこそ、最良の近道
英語の学習等では日本よりも上達が早いらしいのですが、何か面白いことがかかれているかと思い本の題名だけでKindleをポチっとして購入した次第です。
本書を読んで、直ぐに勉強を楽しく感じるということはないだろう。
むしろ、フローな状態、すなわちチクセントミハイのいうフローな状態を体験し、無の境地に至る経験を経ないと勉強の楽しさには行きつくことがないと思う。
わたしも、中学や高校の時は勉強は楽しくなかった。むしろ勉強って面白いと感じたのは高卒で社会人となり、働きながら大学、大学院を過ごした時であり、世の中のあらゆる自分の知らないことの道理が学習により一つ一つ理解され、納得感を味わったからに他ならない。
本書では、最後に種明かしがあるが、ひたすら自分を信じることができるためのエピソードが語られていると思うと理解しやすい。
自分を信じた結果、読者は、
一度きりの人生を大事にする人、根の深い決心をする人、魂が強い人、素晴らしい瞬間を味わう人、自分との戦いに勝つ人、「いま、ここ」に心を留めることができる人、よい習慣を身につけた人、今日の1日を人材の材料として大切にできる人、上手く行く方法を探し出せる人、しっかり学ぶことができる人、恵みを大切にできる人、心で聞ける人、という人間としてしっかりとした土台をもった一個人であると認識し、それを理解する旅に到達したことになる訳である。
その境地を感じればこそ、勉強は面白く感じ、その人を取り巻く色々なことも、同時に面白くワクワク感を感じられる人となるのであろう。
本全体としては、著者のエピソードを含め、くどい解説になっている点は否めないが、勉強を面白く感じるためには、相応の下地が必要であることは理解できるのではないだろうか。
わたしは韓国人の書物はあまり読んだことがないが、引用されているエピソードに日本人が入っているのは面白いと思った次第である。