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PCオタクの異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めてVAIO C1を愛するようになったか
ツイッターに書いた、押し入れからVAIO C1 PCG-MSXが発掘された件の詳細だ。
当時私のライフスタイル、11時頃のこのこ出勤し、首コキコキいわせながら「いやー肩凝っちゃってさ-」なんていって、昼飯までコーヒー飲みながらのんびり。まるでダメ社員のようだが違うんだ。深夜2時3時まで働かされるんだよ。土日も大半は出社。遊んでる暇なんかないから、働きながら遊ぶ。いや遊びを仕事に転換させる必要があったんだ。会社では当然、各々にPCがあるにも関わらずVAIO C1持ち込んでなにがなんでも、意地でもVAIOを使い倒していたんだ。
そして時を経て、ひょんなことから押入れ奥から発掘された懐かしの VAIO C1 PCG-MSX どんな機種であったのか?一言でいうと「時代の徒花。鬼っ子PC」
鬼っ子VAIO C1 PCG-MSXがなぜ鬼っ子なのか?語ってみる。
まずはCPU。Crusoe TM5800 867MHz搭載。今は亡きトランスメタ社の独自技術「LongRun」という省電力だけが売りの、非力なCPUである。尚、市販品に搭載された例はVAIO C1 PCG-MSXしか知らない。新しいヘンなモノ好きなSonyが狂って搭載しちゃったんだろう。しかも拡張命令セットSSE2(Streaming SIMD Extensions 2)非対応なので他のOSではサポートされておらず、Linuxなどは大半がインストールすらできないことが多い。おまけに動画再生に必須な倍精度浮動小数点数命令セットがないので、大体のブラウザも動かないという。
巨大で重いWindows引退後は、小さく軽いなLinuxやChromeOSで余生を・・・ってことが一切できないんだ。
そりゃトランスメタ社も潰れるわっていう、鬼っ子CPU搭載なんですわ。
さらに液晶。1280 X 600ドット、高精細ウルトラワイドSXGA対応。すっごく小さいのにウルトラワイドサイズ。
要は縦がすっごく短いので、WEBサイトなど観るときのスクロール回数が通常の倍になる。すっごく小さい文字をたくさんスクロールさせてブラウジングしなければならないので、読みにくいこと鬼のごとし。「なんでこうした???」と誰もが思ったはずだ。スーパーワイドってなんか言葉がかっこいいじゃん?という理由以外、見つからない。
とどめはTVチューナーを内蔵したポートリプリケーター。デフォでもテレビ見れるぜーってことにしたようだけど、こんなちっこくて横長な画面でテレビがみれるかっ!って話だ。テレビはだいたい4:3画面だから、横長のせいで豆粒みたいな画面を表示することになるんだよ・・・
あまりに尖りすぎていて、ヘンなもん好きな私でも「ダメだコリャ」となったPCG-MSX。しかし、持ちやすさとかっこよさだけで惚れ込み、歪んだ愛情もって金かけカスタマイズしまくり、常時持ち歩いてそりゃあそりゃあかわいがった。そして恩返しのように以下の事案が発生する。
ときは深夜、押し入れから発掘されたVAIO C1 PCG-MSXに話しかけるキモい私。
このまま押入れに住んでもらうのも何だから、着払い1円スタートヤフオクで、君の新しい居場所を探してあげようねーとヤフオク調べたところ・・・おいおい、1万円超えで取引されているじゃねーか!20年前のPCだぜ?と驚愕する私。
恐るべし歴代VAIO C1収集家どもだ、きっと家で歴代C1並べて起動して、ニヤニヤしてるんだろうなぁ。キモカッコイイぜい。
と、こんなところで「PCオタクの異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めてVAIO C1を愛するようになったか」顛末記 おしまい おしまい。
20220920 追記
無事 入札件数:12 落札金額:13,150 円 にて 新しい居場所で暮らしていくことと相成りました。さようならぁぁ~愛しのVAIO C1 PCG-MSX 元気で暮らすんだよぅぅ