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【分厚かったベスト8】カタールW杯 ラウンド16 日本×クロアチア|マッチレビュー
日本代表4度目のベスト8への挑戦の始まり。迎えるは前回大会準優勝のクロアチア。
日本は今大会のこれまでの戦いぶりの中でも勇敢な姿を見せてくれた。ベスト8という#新しい景色を見ることは出来たのでしょうか?
それでは試合を振り返っていきましょう。
▪️今まで以上に勇敢に
日本代表は「新しい景色」を絶対に見にいくんだ!というような意気込みを感じるようなゲームの入りをした。
ドイツ戦やスペイン戦の前半ではあまり見れらなかった積極的な前プレスをクロアチアにお見舞いしていった。
日本代表はスペイン戦同様に、後方に5バックを形成し5-2-3もしくは5-4-1の陣形でクロアチアの攻撃を待ち構えた。前からプレスに出る時は3-4-3と強気な姿勢を見せるシーンも!
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これに対してクロアチアは4-3-3をベースにボールを動かしていく。前半クロアチアのSBはあまり高い位置に上がらずに、2CBと共にビルドアップに関与して大事に安全にボールを動かしていった。
これに対して日本はクロアチアのボールをサイドに追い込んで圧力をかけにいった。
日本はまずはクロアチアのボール保持に対して方向づけをした。しっかり5-4-1でミドルブロックを形成して中央のスペースを消した。やや下がったことで、クロアチアのDFラインにプレスが届き難い状況となったがそれは容認済み。
それではどのようにクロアチアから日本はボールを取り上げていったのか?ただただミスを待ったのか?
それは違う。一方のサイドへクロアチアのボールを誘導し、サイドに追い込むプレスを狙った。
トップの前田が持ち前のスプリントでクロアチアの2CBへプレスをかける。もちろんここで奪えれば最高だが、どちらかのサイドにボールを誘導することも前田の役割だった。
日本のファーストプレス前田によって一方のSBにクロアチアがボールを動かすと、5バックの前に形成される5人の選手がボールサイドに一気に圧縮。
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クロアチアの右SBにボールが入ると左サイドの鎌田がプレス。それに合わせて逆サイドの堂安までしっかり左サイドへ圧縮。一方のサイドへ誘導しピッチを狭くして日本がクロアチアのボールを前向きに奪うシーンも見られた。
クロアチアのSBから幅をとるWGに縦パスが入ると、日本の中盤がしっかりプレスバックをして奪うシーンも!
この時日本はスペイン戦の後半に見せたように、5バックのWBが縦にスライドしてクロアチアのSBへプレスに出るシーンも見られた。この試合にかける意気込みや積極性を日本からは感じられた。
▪️背後もあるからまた厄介
ゲームの入りから積極的なプレスを見せた日本だった。しかし相手は百戦錬磨のモドリッチ率いるクロアチア。そう簡単に高い位置でボール奪取は出来ずに、徐々にクロアチアのボール保持率は上がっていった。
前述した通り日本はクロアチアのSBにボールを誘導してプレスに出てボールを奪うシーンを作れたが、それが全て上手くいく訳ではない。ここは世界最高峰の舞台。相手も説明するまでもなく強者揃い。
クロアチアが日本の守備構造をしっかり把握しながら段々とボールを動かしていった。
まずはクロアチアは中盤に出来る数的優位を利用して、日本のファーストプレスを掻い潜った。
特にアンカー.ブルゾビッチを日本はなかなか捕まえられなかった。CBからSB→そしてアンカー.ブルゾビッチへのパスでのプレス回避は1つの抜け道となった。
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クロアチアのSBからの縦パスを日本は中盤のプレスバックでしっかり押さえたという話は先程少し触れた。しかしクロアチアもすぐ対策を講じた。
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クロアチアはSBからWGへの縦パスに対して3人目を用意。レイオフで日本の狭いプレスを掻い潜る。この時ボールサイドの逆に立つIHが、わざとボールから離れる動きを組み合わせるのがまた憎かった。そしてここでもブルゾビッチが登場。
2人のIHによってフリーになったブルゾビッチがボールを右へ左へ動かし日本を揺さぶっていった。
また、クロアチアの中盤が日本のファーストプレスの視覚でうろちょろする。これにより意識がそちらに傾き、クロアチアのDFラインの選手にはより猶予が与えられた。
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そしてクロアチアは状況に応じて日本の背後を狙った長いボールを織り交ぜてくるのが、日本にとってはまた厄介だった。
日本の前からのプレスがハマった!と思った瞬間クロアチアのCBグバルディオルが日本の背後へロングボールを蹴り込む。
この時を待ってました!と言わんばかりの高精度のキックが蹴り込まれ、CBグバルディオルのパス一本でクロアチアはチャンスを作り出していった。
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スペインやドイツのような細かなショートパスに重ねて、クロアチアにはこの長いボールがあることで日本はより難しい状況に陥っていった。
▪️日本の準備が実ったゴール
クロアチアのボール保持の説明が長くなってしまったが、日本は決してやられっぱなしではなかった。
この試合の日本のビルドアップは、グループリーグ3戦と比べても非常にスムーズで、クロアチアの守備構造をよく把握してボールを前進させていった。
クロアチアは4-3-3で日本のボール保持へ出た。これに対して日本はWBが高い位置に上がり残った3バックでビルドアップを開始した。
ここに日本の中盤2人遠藤と守田もビルドアップに参加。
守田が斜めに落ちてクロアチアの3トップのギャップでボールを引き受ける。そして守田から鎌田と堂安へのパスがビルドアップの明確の出口となった。
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守田が前を向くと鎌田と堂安はクロアチアのアンカー脇、ハーフスペースに入ってボールを受ける。4-3-3の陣形の穴となるアンカー脇をしっかり狙った日本の前進は非常に再現性があり効果的だった。
そしてフリーで前を向いた鎌田、堂安から攻撃のスイッチが一気に入る。
クロアチアのDFラインは4バック。その大外に上がる日本のWBは自然とフリーとなりサイドからのクロス攻撃。そしてサイドを促した中央からの攻撃を織り交ぜた。
ボールを保持し、クロアチアの構造をしっかり把握したビルドアップ。そしてシュートまで持ち込む一連の流れは非常にスムーズでクロアチアを押し込むこと時間帯も作り出した日本。
それでもクロアチアのペナルティエリアにはなかなか入れなかったが、しっかりシュートまで持ち込んだ日本はこの試合クロアチアを上回る8本のCKをゲットした。
そして準備した形からクロアチアの分厚い壁をこじ開けた。日本は最初のCKから準備した形を存分に出していった。
ショートコーナー。トリックプレー。間を開けたタイミングでのキック。合わせる選手の入り方の工夫。セットプレーになるとこの試合準備した手札を、今まで隠していた手札を存分に出していった(クロアチアのセットプレーの豊富さも凄かったね)。
そして前半43分日本に待望のゴールが生まれた。ショートコーナーをきっかけに最後はここまで守備で走りまくってくれた前田がゴール!日本が先制に成功し前半を折り返した。
▪️5バック手間を突かれた日本
日本もクロアチアもメンバーは変えずに後半戦へ。クロアチアは当然リードを許している状態なので前半よりも攻勢に出た。
クロアチアはボールを保持すると、よりSBを高い位置へ押し上げていった。SBが高い位置へ上がるとWGは中へ入り右サイドが旋回。
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そこにアンカー.ブロゾビッチとモドリッチも関わりトライアングルもしくは菱形を右サイドに形成してボールを動かしていった。
クロアチアの旋回したポジションチェンジ。カットインドリブルの組み合わせで日本の左サイドはバラバラに。日本のDFラインもクロアチアのボールの出所を抑えられない状況になりラインを下がる状況に。
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段々と5バックの前のスペースが開くよう。そして後半10分クロアチアがその開いたスペースからCBのロブレンがゴール前に高精度クロスを日本のペナルティエリアへ蹴り込む。やや距離はあると思ったが、ペリシッチの強烈なヘディングが日本のゴールに突き刺さりクロアチアが同点に追いついた。
そこからクロアチアがさらに攻勢に出る。サイドからクロスを放り込みまくる。それに合わせて徐々に日本のDFラインは下がる。
そして跳ね返したクロスボールも拾えずに、クロアチアに二次攻撃、三次攻撃を受ける劣勢に。
DFラインが下がったことで、中盤に大きなギャップが出来てしまいクロアチアにセカンドボールを拾われてしまう状況となったのだ。
クロアチアがサイドでボールを動かす→それに対して日本のサイドハーフ(堂安、鎌田)がプレスに出る→クロアチアがクロス上げる→跳ね返される→落ちたボールをクロアチア拾う→サイドにつり出された日本の中盤セカンド拾えない→クロアチアの二次攻撃くらう
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— GOAL Japan (@GoalJP_Official) December 5, 2022
▪️クロアチアの三笘対策
日本は同点に追いつかれると切り札を投入。この大会お決まりの左WB長友に代えて三笘を投入し2点目を奪いに出た。しかしクロアチアもすぐさま三笘対策を講じた。
右WGのクラマリッチに代えてアタランタ所属のマリオ・パシャリッチを投入。
クロアチアは三笘がボールを持つと飛び込まない。WGとSBのダブルチーム。SBがつりでた際の中盤のチャンネル封じ。この3点を遂行したクロアチアはなんとか三笘に致命傷を受けることはなかった。
またビルドアップでは三笘のいるサイド目掛けて。投入されたパシャリッチ目掛けてロングボールを放り込み競り合いの質で勝負したり、三笘を押し下げる狙いも示した。
両チームこのまま追加点は奪えずに延長戦へ…
▪️おわり.悔しくて書けなかった
延長戦に入っても両チームゴールは奪えずにPK戦へ。PKは非常にあっけなかった。日本はクロアチアのGKリヴァコビッチに3本止められて万事休す。クロアチアは1本外したものの3本を決めラウンド8への切符を手にした。
おい!延長やPKの話をもっと詳しく説明しろ!と言われるかもしれませんが力尽きました。すいません。その辺りはきっとどこかのメディアや誰かが説明してくれると思うので拝見して下さい!
正直力尽きたというより、書けませんでした。私はどうしても試合を振り返り、マッチレビューが書けない試合がたまにあります。
その理由は悔しくてたまらない時です。
忙しい理由以外で感情的に書けなかった試合がいくつかあります。
その二つが2シーズン前のCL決勝マンチェスター・シティ×チェルシーの試合。シティの初のCL優勝のかかった試合。結果は0-1の敗戦。
そしてもう一つは昨シーズンのCL準決勝2ndlegマンチェスターシティ×レアル・マドリード戦。見事にマドリードの大逆転負けを喰らった試合です。
私は長らくマンチェスター・シティの試合のレビューを書き続けております。いつの間にか好きになっていました。
それと同じような感情がこの試合、日本代表の試合で芽生えたのかもしれません。それほど感情移入させられて、心から勝ってほしいと思っていた証かもしれません。いつの間にか好きになっていたんでしょうね。だからこそあぁ悔しいね。本当に…(だからこそ目を背けずに、延長戦、PK戦までピッチで起きた現象に目を向けないと思うのですが…)
しかしそんな私が。今までの私だったらきっと悔しくて1文字も書けなかったであろう状況で一歩踏み出してみました。悔しすぎる試合のレビューを、最後はなんだか中途半端になってしまいましたが多めに見てやってください。
今大会日本代表は掲げたベスト8という目標には手が届きませんでした。
しかし確かに私たち日本に#新しい景色は見せてくれました。
ドイツ、スペインの劇的勝利。そして前回大会準優勝との激戦。素晴らしい試合を私たち見せてくれたことに本当に感謝ですね。
サッカーの素晴らしさが今まで届かなかった人にまで届いたはずです。素晴らしい非日常を与えてくれました。
そして次こそはベスト8というまだ見ぬ新しい景色にきっと私たちを連れていってくれるはずです。これからも応援しております。少し休んで、更なる高みを目指して険しい道を一緒に歩いていきましょう!
#頑張れ日本🇯🇵
そしてこのサッカー熱が少しでもJリーグ。そして海外サッカーへ注がれて欲しいですね。朝4時からサッカーを観戦することが非日常ではなく日常になること私は願っております(みんなでワイワイサッカー見るのやっぱり楽しいからね!)。
▪️気になった選手
谷口さん(日本代表)
谷口のクリア。地味にしっかりパスにしてるのが本当チームとしての助かる。地味だが効くプレーの1つ。
— inamo (@inamo18) December 5, 2022
グループ最終節のスペイン戦からスタメンの座を掴んだJリーグの星。プレッシャーのかかる非常に重圧のかかる試合で本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
この試合でも地味だが効いているプレーで日本を救ってくれました。ビルドアップでのミスはほとんどなく流石でした👏
グバルディオル(クロアチア代表)
日本の三笘が1人でゴールをこじ開けるのならば、この男はクロアチアのゴールを1人で守るそんな存在感をこの試合でも放っていました。
試合が経過するにつれてその存在感はデカくなりました。何度日本のカウンターの前に立ちはだかったか。そして攻撃でも。
日本に衝撃与えた「グバルディオル」がSNSでトレンド入り ベスト16で立ちはだかった“クロアチアの壁” - https://t.co/P1ZOkVAzn0 pic.twitter.com/9ZlGip7uCa
— theWORLD(ザ・ワールド)編集部 (@theWORLD_JPN) December 5, 2022
こちらも何度ハマった!と思った瞬間にドリブルで、ロングボールで日本のプレスを剥がしまくってくれました。
そしてあなたまだ20歳ですよね?これはもう世界のメガクラブが動きますよね。そんな動向も楽しみですね(あーマジでペップシティに来てほしい。ルベン・ディアスと2CB組んで欲しいは…)