vol.15 バイオメカニクス基礎用語 〜床反力とCOP〜
みなさんこんにちは!サッカームーブメントデザイナーともちです。
今回もバイオメカニクス基礎用語についてお話しさせていただきます。
まず、
バイオメカニクスとは
姿勢の調整や身体運動について、力学の観点から研究する学問のことです。
力学とは
物体(人、物)に、はたらく力とそれによって生じる運動を調べる学問で、中学理科、高校物理で習った「慣性の法則」「作用反作用の法則」などは力学の法則です。
最先端のバイオメカニクスの研究もこの力学の法則がベースとなっていて我々トレーナーにとって必須の知識となっています。もちろんムーブメントデザインにおいても、です!
今回は床反力とC0P(Center Of Pressure)についてお話します。
まず、床反力について
立った状態で身体(主に足底)と床や地面の接触している部分から生じている反力のことを言います。床反力は無数にあるため床反力を全てベクトルで表すのは不便なので床反力を1つに合成して扱うのが一般的です(床反力ベクトル)。
当然のことながら、床反力が生じるのは身体が立って静止している時だけではなく、歩いたり走ったりする時、足底で地面を押した瞬間、作用反作用の法則によって身体が地面から力を受けます。これも床反力です。
身体が立って静止している時は身体に生じる重力と床反力の大きさは等しくなりますが、身体が動いている時には床反力の大きさが変化します。重力と床反力の大きさに差が生まれることによって、身体に動きが生じます。
ジャンプの踏切や走る時は、自分の身体に生じる重力の何倍もの床反力が生じることで身体が動きます。
COP(Center Of Pressure)
COPは、立った状態の時、足底が力を受ける点のことを言います。床反力作用点、圧力中心、足圧中心とも表現されます。
両足で立った状態の時は左右の足が床に接しているので、それぞれの足ごとにCOPを求めることができます。また左右それぞれのCOPを一つにまとめることができます。
下の写真は両足で直立する身体に生まれる床反力、足部のCOP、そして合成COPを表しています。合成されたCOPは直立している場合、両足の間に位置しますが、左右の足に生じる床反力の大きさによって右や左に寄ります。
右足に生じる床反力の方が左に比べて大きければCOPは右に寄り、左の床反力が右に比べて大きければ、逆のことが起こります。
これで、床反力、COPの説明は以上になります。そこまで、難しいものではないので、どなたも理解しやすいものだと思います。
床反力、COPの理解があると、深く、かつシンプルに人の動作観察、分析が行え、それを選手、クライアントさんにわかりやすく伝えることができるでしょう。
続く