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着物と、お茶のこと

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記事一覧

ChatGPTも追いつけない領域。不二と蝉時雨。

電話で話した人が「すごい蝉時雨ですね」と言った。仕事場がケヤキの樹冠の下にあるので、蝉時…

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手放せなかったことへの言い訳

片付けは、とくに、ものを処分するのは、思い立ったときにしないとずっとできない。わたしの片…

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もう遅いかもしれないけれど

先日、長襦袢と古い単衣の直しを頼んでいたのが仕上がってきた。いずれも三十年超えの古いもの…

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持ち主不在のきものの履歴と喪服のこと

きものを日常的に着始めたきっかけは、実家に誰も着ないきものがあったからだった。特別たくさ…

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史上初の現代の茶道映画

史上初の現代劇のお茶の映画といわれる『日日是好日』(2018)。その舞台裏を原作者の森下典子…

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Satén Japanese tea (日本茶)

かつての喫茶店文化のなかに、日本茶はほとんど存在していなかった。日本茶は家で飲むもの、飲…

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KIMONOは矯正下着とは正反対の機能を持つ

June27, 2019 キム・カーダシアンがKIMONOという矯正下着のブランドを発表、商標登録を出願しているというニュースを聞いたとき、べつに日本文化を侮辱しているとまでは思わなかったけれども、そんな名前をつけるなんて、センスがない、と思った。 着物というのは機能的には矯正下着とはまったく反対のところにあって、太っても痩せても、たとえ妊娠しても、その都度、仕立て直しせずとも、自分サイズに合わせて纏える被服なのだから。 そして、三代にわたって半世紀は十分着ることができ

花と皿を生かす

February 23, 2019 朝、犬の散歩のとき、梅林のところで梅を切るひとがあって、地面に束にな…

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雪輪と白梅の気分

February14, 2019 好文棚という、側面に梅の透かしのある棚の前で、濃茶を点てさせていただい…

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桜が酩酊なら梅は覚醒

February 13, 2019 いつも通る道に紅梅に続いて白梅がつぎつぎとほころんでいるので、しばら…

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こんな世の中が好きだよという一票

February 9、2019 土曜日は店舗を持たずに営業しているひとのところへ行く。行くというより…

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一見無地

February 7, 2019 「江戸小紋はいいわよ。そのうちあたしのを着てね、いまにお迎えがくるから…

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お多福

January 31, 2019 ここのところずっと、noteはiPhoneで書いている。取材のときはさすがにペン…

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懐石料理

January 23, 2019 赤坂の辻留の料理塾に、友人の代理で出席した。習うのは楽しい。つくるひとの美しい手元、無駄のない包丁さばきに見入る。お茶の点前のように、自然に流れるように魚がおろされてゆき、ぼんやりしていると大事なところを見逃してしまう。 昨年、別の友人から懐石料理の本をもらった。また別の友人からお椀を一揃いもらった。お茶の先生は年に何回か、自らお懐石をつくり、正式な茶事をしてくださる。有り難いことだ。タイム、プレイス、オケージョン。どれもないないないなん