昨日までの喧騒はどこへやら 静けさを取り戻した 昼下がりの住宅街 邪魔するものはなにもない 惰眠を貪るにもちょうど… ドンドンドン!🚪 〇〇:だぁー!うるっせぇ! 騒音の犯人は何食わぬ顔でズカズカと部屋に入ってきた 〇母:ほれ! ダラダラしてないで起きなさい! 〇〇:なんだよ 日曜日くらいゆっくりさせてくれよ 〇母:なに呑気なこと言ってんの 今日はアレがあるでしょうが 〇〇:うげ… なんで毎度毎度行かなきゃ… 〇母:当たり前でしょ! どこぞの北の国
"はぁ…" 咲月:これ、まだやってんの? 美空:そう まーたダメだったんだってさ 咲月:全く… もう金曜日だよ? ここまでくると、〇〇さんが可哀想だよ 美空:なぎ〜? そんなにため息ばっかりついてると幸せ逃げてくよ〜? 和:もう散々逃げられてるからいいんですー そう言い放ち、依然として、机に突っ伏したまま、ため息ばかりついている和 そんな和に同情… ではなく もはや呆れともとれる視線をむける咲月と美空 なぜこんなことになっているのか 月曜日 和母:今日から
オケ部:「「「えぇーーー!!!」」」 いきなり転校してきた世界的ピアニストは、無名のオーケストラ部と共演したいと言ってきた。 しかも、わずか4ヶ月後に、あのクラシックの聖地"茜坂ハーモニーホール"でコンサートをすることまで決まっているというのだ。 青天の霹靂ともいえるこの発表に、騒然とする第一音楽室 生田:いい反応だねぇ〜笑 部員B:いやいや、ハーモニーホールといえば、クラシックの聖地じゃないですか?! 生田:恥ずかしくない演奏しないとね! 梅澤:曲目とかも決ま
茜坂ハーモニーホール そこは、世界でも指折りの演奏家や有名オーケストラなど選ばれし者だけが公演を許される、いわばクラシックの聖地とも言うべき、国内最高のコンサートホール。 「「「bravo!」」」 パチパチパチ! その夢の舞台で、総立ちの観客たちからの称賛の嵐を一身に受ける男。 昨年行われた、世界で最も権威あるピアノコンクールの一つ、"ショパン国際ピアノコンクール"で、史上最年少15歳にして、日本人初の優勝を果たし、以降、数々の有名オケと共演するなど、現在、世界
ピピッ ピピッ 「んっ、うるしゃいっ…」 ガチャッ 月曜日 憂鬱な朝がやってきた。 ただでさえ憂鬱なのに… ザァー さらなる憂鬱の種が窓に打ち付けている。 気の乗らない体をようやっと起こして、姿見の前に立てば、寝ぐせは立ってるし、目元は浮腫んでる。 姿見から机に目線を移せば、ノートが開きっぱなしだ。 そういえば、宿題を最後までやり切ってなかった。 いや、週末はそれどころじゃなかった。 週末 遠い昔にどこかに行ったあの人が、この街に戻ってきた
どこまでも広がる 青い水平線を 駆け抜けていく飛行機 顔を覗かせたばかりの 太陽が照らす 果てなき青の世界を 見渡しながら考える 〇〇:あれからもう6年か… 覚えてるかな… 忘れかけていた 遠い昔のあの夢を 6年前のあの夏の日 〇〇:僕、もうここには来れないんだ… 僕は君に別れを告げた ??:えっ… 〇〇:ピアノをもっとうまくなりたいから、遠いところに行くんだ だから… 泣いてる君に 頭を撫ぜることしか できない僕 どのくらい撫ぜていただろう やがて 君