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言葉は正しく使え~流行りの言葉~


■はじめに


配送サービスのUberEats。
数ある飲食店の食品を自宅まで簡単に配送してくれる便利なサービスだ。

散歩している時、日が傾いた交差点の信号で高校生のこんな会話が聞こえた。

「昨日マックだったんだよね」
「え、行ったの?」
「いや、Uberした」

■卯馬一段活用


この「Uberした」を聴いた瞬間、「あれ?Eatsしてなくない?」と思った。
言葉として違和感は無い。しかし、よくよく考えると正しくは「Uber Eatsで食品を頼む」になるはずである。


Eatsを飛び越し、「Uberする」単体で「Uber Eatsで食品を頼む」と動詞になっているのである。名詞から動詞になった卯馬一段活用と名付けよう。

日本国内でUberよりUber Eatsの方がメジャーサービスになっている事も起因しているだろう。もし、配車サービスとしてのUberの方がメジャーだった場合、この会話は「配車サービスをつかって家族でマックを食べに行った」表現になってしまうからだ。

同じように動詞としての活用が一般的になっているのが、「チル」である。

英語の「chill」は、名詞または動詞として使える単語です。一般的には、以下のような意味で用いられます。
【名詞】冷たさ・肌寒さ・冷え込み
【動詞】〜が冷える・〜を冷やす

日本語で冷凍食品を表す「チルド」という言葉は、chillの過去分詞形「chilled」が語源です。形容詞や副詞として使うときは「chilly」という単語を用います。また、風邪を引くという意味で「catch a chill」、寒気がするという意味で「get chills」という表現が使われるケースも多いです。

さらにchillは、英語圏ではスラングの1種として「くつろぐ」「落ち着く」「リラックスする」「遊ぶ」といった意味で使われることもあります。日常会話でchillを使うときは、本来の意味だけでなく、スラングとしての意味も念頭に置いておきましょう。

最近は英語圏だけでなく、日本でも若者を中心に「チルする」「チルってる」「チルい」などの言葉が流行しています。「自分の時間を大切にしたい」と考える若い世代の思いに共感する言葉として、特にSNS投稿などで使われるケースが多いです。

カタカナ英語の「チル」の使用例は次の通りです。駅前のカフェでチルしよう
仕事が終わったからバーでチルしない?
家でコーヒー淹れて映画みながらチルってる

https://online.ecc.co.jp/column/chill_meaning/

言葉として既に違和感が全くないが、「チルい」といった形容的な表現から、「チルする」といった動詞的な表現まで使われている
これを恥留二段活用と名付けよう。

だれも「疲れたから、ちょっとチルしてくるわ」と言った友人が「体をチルドで冷やしてくる」なんて思う人はいないはずである。

さて、このような卯馬一段活用や恥留二段活用の様な表現は日常にどんなものがあるのだろうか。
自身の「当然の事の様に行っている事」とか「変わる可能性がある行為」をイメージして呼称を考えてみよう

※「言葉が文法として正しく使われていないと」とか、「言葉は時代と共に移り替わる」とかそんな議論はどうでも良い。相も変わらず本タイトルは揶揄に近い。

■呼称をつくる


〇無料100連ガチャ

例えばゲーム。ソーシャルゲームや一般的にあるゲームの多くがキャラクターや武器等を得る方法として「ガチャ」の機能を有している。

私の場合、ゲームを遊ばずにストーリーをスキップして「初回無料100連」のガチャだけをやりに行っている。
一般的に言われる「リセマラ(リセットマラソン)」では無い。もともとそのゲームをする意図は無く、ただただガチャを回す為にだけにインストールするのである。迷惑千万である。

そして、ガチャを回して満足したら次のゲームに移る。
無料で一番おいしい所だけを得ようとする、浅ましい行為だろう。

「フリー」で「ガチャ」を回し、「初回」の果実を得ようとする行為。
頭文字をとって「フガシ」呼称としてみよう

数年後、学生の間ではこんな会話がされているはずである。

「昨日何してたの?」
「昨日?あー、暇だったからフガシてた」
「あーね」

動詞化されて麩菓子三段活用されている。
あなたがフガス時も近い。

〇本で勉強をする

以前は勉強をする事自体が本来は「本」であったり、「誰か」に教わる事を指していた。

しかしながら、動画やWebが発展した今、「勉強をする」と言う言葉は本に限らない。AIに聞いて学ぶ事も「勉強する」に含まれるだろう

であるならば、「本を使って勉強する」事自体を特別な名称で呼ぶ必要が出てくるのでは無いだろうか

「ブック」では何とも分かりずらい。予約の意味の可能性も出てきてしまい、ミスリードの可能性もある。
よって、「シミる」はどうだろうか。本の虫である紙魚(シミ)の意である。

「うわー、明日社会のテストじゃん」
「どうしよー、AIで勉強しようかなぁ。。。」
「私はシミった方が頭に入るから・・・」

みたいな感じになるのだろうか。四三四段活用である。

■終わりに


気が付いたら「Uberした」からなぜか「シミる」まで来てしまった。
確かに、共通認識として生まれてくる言語はある。そして「共通認識」となっている以上、行為そのものの重要性が「今」高いのだろう。

それを考え呼称する行為を「コショる」とか言ってみようか。
コショコショー

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