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銀行窓口は不要になる?
■はじめに
振り込まれた給与の引き落とし、学校の入学金の申し込み、振り替え、口座開設、お金に関わる主要な「器官」ともいえる銀行。
この「器官」がお金という血液を流し、日々の生活を送る事が出来ている。
しかし、この銀行が既に「器官」としての機能を有していないと言うのだ。
正確には銀行における窓口の利用率がコロナ禍経て、ネットバンキングの利用増加に伴い減少している。
確かに、銀行にはほとんど言った記憶が無い。病院に行く前に現金が欲しいい時や、結婚式の新札が欲しい時、特に理由は無いがちょっと記帳してみたくなった時以外行った記憶が無い。
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「何かが出来る感」も「何かをしてもらえる感」も正直全然感じられない、無な感じだ。むしろ図書館に行った方がよっぽど良い気がしてくる。
■銀行業務とは
では銀行は何をしてくれいるのか。改めて見て見よう。
※都市銀行や地方銀行等の種類によって多少変わるだろうが、一旦考慮しない。
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銀行の三大業務といわれているのが預金・融資・為替業務です。預金業務は文字どおり顧客のお金を預かる仕事です。融資業務は資金を必要としている企業(または個人)に利息をつけてお金を貸し付ける仕事で、融資担当者がその業務を行います。為替業務は振込、手形の発行などをすることです。
上記には各業務がさらに詳しく記載されている。
銀行の三大業務①預金業務
個人や企業を問わず、数多くの顧客から資金を預かるのが預金業務です。日常的に利用する普通預金をはじめ、各種定期預金、企業が小切手や手形を振り出すための当座預金などの銀行口座を管理する仕事で、銀行の窓口でよく目にします。こうした窓口担当者はテラーとよばれ、一般職の行員が従事することが多い職場であり、銀行の表の顔として活躍しています。
銀行の三大業務②融資業務
預金業務によって預かったお金を、資金を必要としている企業や個人に融資する仕事で、銀行はその利息によって利益を得ます。例えば、企業が事業拡大する際の設備投資資金や個人が家を建てる時の住宅ローンなど、大きなお金を融資することになります。
こうした融資には企業の発展や個人の幸福を応援する側面もありますが、その一方で、融資先が倒産したり個人がローンを返済できずに自己破産したりすると、融資金の回収が難しくなり、返してもらえなかった融資金はすべて損害となります。顧客の預金をもとに融資をしているので、融資先は慎重に見極める必要があります。
そのため、銀行内に設けられた審査部門では、融資先企業の業績をチェックしたり将来性を分析したり、融資担当者を中心に個別の案件ごとに、慎重な審査が行われます。融資担当者は責任も重大ですが、企業や社会の成長に欠かせないキーマンとして、大きな役割を担っています。
また、海外の事業者への融資など国際的な業務を行うことがあります。
銀行の三大業務③為替業務
電気料金やガス料金、電話料金などの公共料金の口座振替など、銀行口座をもつ顧客からの依頼によって、振り込みや送金を行う業務です。
銀行の営業
銀行と顧客をつなぐ大切な役割を担っているのが、渉外担当です。担当エリアの顧客(企業や個人)を訪問して、金融商品や資産運用のニーズを掘り起こし、販売や融資などにつなげていきます。銀行ごとにノルマがあり、厳しい業務である反面、営業成績は大きな実績となり、ボーナスなどに反映されるといいます。
金融商品の販売
かつて銀行で扱うことのできなかった投資信託、損害保険や生命保険などの販売が解禁になり、こうした金融商品の取り扱いも銀行業務のひとつになっています。
その他の業務
銀行の業務には、上記の他に国債や社債、債券や株式などの運用業務、ローンや財産運用の相談、貸金庫の管理、手形の引き受け、企業買収のアドバイスなど、お金にかかわるさまざまな仕事があります。また、人事、企画、広報など総務部の業務も円滑な銀行運営に欠かせない大切な役割を担っています。
なるほど、一言でまとめると「預貯金や融資を主軸としながらも、お金に関する商品を販売し、様々な手数料を得ている」感じだろうか。
こう見ると何もしてくれていないわけではない。
ではなぜ「何かが出来る感」も「何かをしてもらえる感」を感じる事が出来ないのだろうか。
■銀行の価値
実際には私の預金を預かり(運用し何処かの誰かの融資になり)、安全に管理され、生活に必要な資金移動を実行してくれている訳だが、「何かをしてもらえる感」が無い。
もしかしたらそれは「所有感」にあるのではないだろうか。
現金を主体としていた頃は実際にある「私の札束」を厳重な金庫に保管してもらっていたイメージがありそうだが、デジタルネイティブな世代において現金ではなく画面に表示された「データ」がお金となる。
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そのデータは口座に保管されるわけだが、常に見れる「データ」は感覚として「私が常に保有している」感じでは無いだろうか。
ただ口座と言う画面を通して自分の所有している映像を見ている感じであり、そこに銀行に「やってもらっている感」を感じる事は難しいのかもしれない。
では実際にはどう感じられているのか、全銀が「よりよい銀行づくりのためのアンケート」として出している資料で確認してみる。
※個人では無く法人から見た価値観は割愛する。ケースバイケースであるのと同時に個人から見た集合知が法人にも影響するであろうと想定するからである。
「よりよい銀行づくりのためのアンケート」
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news331230.pdf
■銀行の利用目的
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まず、個人が口座利用する目的は「預金」「現金の入出・振込」が大半である。逆に他の%があまりに低くて驚いた。
また、「インターネット専業」は資産形成や現金の入出が他銀行と遜色ない値にも関わらず、投資やNISA等の値が比較的高い点も特徴といえるだろう。
2021年のデータの為現状はこの割合がもっと高いと想定出来る。
■銀行の印象評価
次に「なぜ利用するのか」のアンケートである。
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これを見て少し残念な気持ちになった。
総じて「ATMが近くにあって使いやすいし、商品とかサービスはたいして良いと思っていないけど、給与もそこに振り込まれるし使っている」と言った傾向になってしまう。
環境的に便利ではあるけど、たいして良いとは思っていないものを仕方なく使っている。
子供の頃、実家の周りで泥だらけになって遊んだ後、外にあるボットン便所を利用した事が思い出されてしまった。汚れているし仕方ないか、と。
■銀行の満足度
しかしながら満足度は高めの水準になっている。
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総じて8割前後もの人が満足しているらしい。
しかしそれは「今銀行に期待する事」が充足されているだけでは無いだろうか。その期待値は非常に低くないだろうか。。。?
■店舗・ATM・ネット利用状況
各チャネル(店舗・ATM・ネット)の利用状況を見てみる。
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併用についてどう集計されているのか良く分からなかったので単純比較はできないが、ATMの利用頻度がかなり高い事が見て取れる。
これは前段の利用目的とも合致する。
■決済手段別利用目的
次にどんな内容に利用しているか、のアンケートである。
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現金の利用は個人間でのやりとりや小売りでの支払いが多い。次いで冠婚葬祭になっている。
逆に現金以外の利用は小売りでの支払いやオンラインショッピングの利用が多い。日常生活で現金を利用する機会が減っている中、当然と言えば当然の傾向だろう。
■銀行への期待
では、この銀行に今後期待する事はどんな事だろうか。
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待ち時間・防犯・トラブル対応・決済サービス等のニーズがある中、悲しいかな4割の人が「特にない」らしい。
■新しい銀行窓口を考える
ここまでのアンケート結果で、「ATMあるし便利だから使ってる。もうこれで満足だから期待もしてない」と何とも寂しいイメージになってしまった。
では、ここまでを踏まえて「新しい銀行窓口」はどんなモノが考えられるだろうか。
①預貯金の「価値」を見える化する
例えば、私が給与から口座に振り込まれた5万円のうち、10円が近くの電気屋さんの運転資金に使われ元気に営業できている。とか、50円が新婚さんの新築購入資金に使われ生後1歳の赤ちゃんが楽しく暮らせる、とか。
そんな情報を店舗で見える様にしてはどうだろうか。
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見えると何となく自分にしかない「所有感」を変える事が出来るのでは無いだろうか。ブロックチェーン的な何がしかで出来ないだろうか。
②利便性に振り切る
アンケート結果としてATMの利便性を多く感じられていたため、この利便性に振り切る。チョコザップならぬ、「ちょこ行」である。あくまでも銀行業務は「ついで」に出来る要素として残すが、生活における細かい事と支払いをセットで行える様にする。
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荷物の発送からクリーニング、ちょっとしたネイルケア等なんでもできる空間があり、ATMと差別化する為にそのサービス全てが口座紐づけされている状態であるべきだ。
利用者は「自分の口座」を使ったサービスが自由にそこで受ける事が出来る。そんなイメージだ。
「口座を使ったサービス」をコンビニとどう差別化するかが肝要になってくる。
③特定のサービスと一体化する
思い切って医療・福祉サービスと一体化してしまう。
今後の少子高齢化を考えれば、「リアルの接点があり」「お金を使い」「頻度が高い」医療・福祉サービスと一体化してしまうのはどうだろうか。
もちろん法人向けの融資事業などは継続するが、個人向けのサービス主体として多くの人が集まる主要な箇所に存在する店舗を有効活用するのである。
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また、高齢者が「地方銀行窓口であれば安心して行ける」といった心理的な安全性もあったりするかもしれない。
■終わりに
銀行窓口の業務からアンケートを確認し、銀行業務を考えてみた。
実際調べてみると不必要であるという意見の記事も多く見られた。しかし、「不必要であると言う意見が出ている」からこそ新しい仕組みやサービスが生まれる転換点と捉えるべきでは無いだろうか。
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しらんけど。