地元民がお伝えしたい551蓬莱の豚まんのアレコレ①「二つの蓬莱」
今日からゴールデンウイークだそうです。京都はすでに大文字山のてっぺんから深泥池の底まで外国人観光客で身動きもできない状態ですが、大阪はまだ余裕があります。今週は観光客に人気の豚まんについてお話します。
なぜ551なのか?
これはもう有名な話なのですが、その昔、本店で使用していた電話番号の下三桁が「551」であったことと、「味もサービスも"ここ(55)"が"一番(1)"」というスローガンに合わせて「551蓬莱」にしたそうです。
観光客を惑わす「二つの蓬莱」の謎
実際に難波にある551本店に来た観光客が戸惑うのが、二つの蓬莱です。マクドナルドを挟んで551蓬莱と蓬莱本館があります。
戎橋筋沿いの北側にあるのが蓬莱本館、マクドナルドを挟んで南側の角にあるのが551蓬莱本店です。どちらも1階で豚まんの販売、2階がレストランになっています。
551蓬莱と蓬莱本館は、1945年に難波新地(現、大阪市中央区難波)で開業した蓬萊食堂が前身です。3人の台湾人が協力して営業し、難波に3店舗を構えるまでに繁盛しました。しかし、1962年の火災で蓬莱食堂は焼失し、その再建時に蓬莱本館、蓬莱別館、551蓬莱のそれぞれ別会社となりました。それ以来、本館と551は現在の場所で営業しているのですが、蓬莱別館はすでに飲食業からは手を引いています。
551の豚まん
551の豚まんはしっかりとした生地と豚肉と玉ねぎのバランスの取れた旨さが特徴です。美味しいので関東にも出店して欲しいとの声は昔からあるのですが、551の豚まんは大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県の58店鋪(2019年1月現在)とオンラインショップでしか販売していません。それは551蓬莱の企業理念に基づいています。
551蓬莱の本社・工場は大阪市浪速区桜川にあり、そこで全店舗分の豚まんを製造し、配送しています。もちろん冷蔵で配送しているのですが、品質を保つために輸送時間を150分までと決めています。そのため店舗は近畿限定なのです。なお、店舗までの距離によって生地の発酵完了時間を三段階に分けています。「すぐ」(1時間で発酵完了=近距離)、「普通」(2時間で発酵完了=中距離)、「おさえ」(3時間で発酵完了=遠距離)の3種類に分けられています。
※遠方での催事販売等は現地で生地を作ることで対応されています。
蓬莱本館の豚まん
蓬莱本館の豚まんはフカフカの生地とゴロゴロの国産豚肉が特徴です。こちらは大阪の他に千葉県にも工場があり、オンラインショップや通販でも買えます。
実際に食べ比べてみるとよく分るのですが、551よりも本館の方が中国の包子によく似ています。より本格的だと言えるでしょう。一方の551は日本人好みにうまく改良してあるという印象です。
551蓬莱、蓬莱本館はタイプが違うものの、どちらも満足できる大阪の「豚まん」です。両社とも難波の本店では2階のレストランで豚まんが食べられます。大阪にいらした際にはぜひ食べ比べて下さい。もちろんビールもありますよ!
豚まんについてのアレコレはまだまたあります。観光客が疑問に思っているあんなことや、関東でよく聞く誤解など、来週も豚まんについて書きます。お楽しみに。
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