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風の吹くまま、気の向きままに 9 (自著『学園の事件簿』から)

 創作大賞に応募しようと思って、ミステリーと思しき短編の七作目を書き終えました。この辺で区切りをつけようと私なりに評価反省をしてみました。大まかに分類すると、学園の美術品の亡失、損壊事件が『家族のきおく』と『消えた名画』の二作で、生徒の所有物に絡むものが『秘密のペンダント』と『私が本当のゆりえ』の二作です。後の三作は生徒の行為にかかわるもので『ボールのゆくえ』と『先生たち江戸を走る』それに『にんぎょの海』です。 

 事件については、学園ということもあるので大それた犯罪とはしませんでした。生徒の境遇と悲哀、あるいは学園と家庭での日常生活に起きる問題が、探偵役の女の先生と助手役の男の先生のコンビによって謎解きされます。どんなに贔屓目に見ても上作とは言えないと思いますが、私なりには文章にも工夫を凝らし、達成感に浸り、自画自賛しています。ぜひ多くの方々に読んでいただければな―との淡い期待を抱いております。

 文章の工夫とは、種を明かせば何のことはないというか、後半に到ってタイムスリップを取り入れるとか、いわば時空の拡張ということです。物語を楽しんでいただくためにトライしました。ミステリーといえば犯罪と思ってしまいますが、そこに限定しなくても人の世はミステリーですから話題には事欠きません。軽いタッチで人の世のパズルを解くのも一興のような気がしました。


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