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【詩】いっそ友達になれたらな【なもなも】


■本日の詩『いっそ友達になれたらな』


敵は味方より近くにって言うけど
たしかにあの子は私の人生の一番近くにいる

SNSで私の動向を全部チェックしてるし
私が髪を切ったら一番初めに気づくのはあの子なの

私が新しいリップを買った日まで把握してるし
あの子は私のまつげの本数まで気に食わないの

ここまでくると 好かれてるような気がしてくる
だって私の恋人よりあの子私にくわしいの
いっそ私たち結婚しましょうか

誰かが言ったでしょう
結婚とは世界で一番嫌いな相手に家を買ってやることだって

あの子が言った悪口を全てアイラブユーに置き換えたら
きっと私 世界で一番愛されてる人間になれる
そう思うと面白いでしょう?

いっそ私たち付き合いましょうか
そのおしゃべりで愛を伝えてみてよ

不思議なことなんだけど
あの子には隠し事ができないの
あの子 私のどんなことでも知ってるの
だから私も隠すのをやめた
恋人が知らないことだってあの子は知ってる

私がどんな恥ずかしい醜い人間かってことを
この世であの子が一番知ってる
それは真実に一番近い気がする

いっそあなたと友達になれたらな
そうしたらもっと毎日楽しいだろうな

私への理解を憎しみじゃなくて愛でしてくれたらな
そうしたらきっと幸せになれるだろうな

あなたに嫌われてることが
時々 ほんとうに悲しいんだよ


(作 なもなも)


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