なもなも

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【詩】ただひたすらに"今日"【namonamo】

『ただひたすらに"今日"』                    (作:namonamo) 人生の苦悩を声高に叫べる時は過ぎ去り ただしみじみと差し迫る孤独に恐れだけを知る 秋風のきんきんとした冷たさに首を締め付けられながら 見えない星の美しさを想像する それが希望の光でありますようにと願いながら 死の苦しみの前に用意された生の煩悶に身をよじる長い苦悩の中に瞬間的にひらめくようなわずかな喜びに手を伸ばす けれどそれはすでに陽炎だ これから起こることに耐えられる自分であ

    • 【エッセイ】イジメに関する記事を読んだこと

      最近イジメに関する記事を読んだ。 イジメられやすい人の特徴をまとめた記事だ。 イジメられた事が全くない、あるいはそのような現場を全く見たことがないという大人は少ない、というより、悲しいことにほぼいないのではないかと思う。 そしてそうした悲劇に初めて遭遇するのは、たいてい学校ではないだろうか。 小学校、中学校、高校、それから大学…… 学校機関というものに12年以上身を置けば、誰かしらに目をつけられやすい人はクラスが変わろうと学校が変わろうと同じような状況に直面しやすく、

      • 自分を理解するのに人生は短すぎる。 でも自分に失望するのに人生はあまりに長すぎる。 そんな正反対の考えに引っ張られて私は時々足下に開いた暗闇に落っこちる。

        • 【詩】サヨナラサヨナラ永遠に【なも】

          ■本日の詩『サヨナラサヨナラ永遠に』 ママ 悲しまないで あの子が死んだのは 初めから決まってたことなんだから ここはネバーランドじゃない 子供のままでは生きられない 全ての子供は死ぬために生まれてくるの 誰もがそのことに気づいてしまう日がくる 早いか遅いかの違いだけ 小さな身体が梁からブラブラ揺れてるわ 私があの子を殺したの 苦しませたくなかったけど無理だった だって死ぬってツラいことなの ママ 泣かないで こうなることは 生まれたときから分かってたでしょう こ

        • 【詩】ただひたすらに"今日"【namonamo】

        • 【エッセイ】イジメに関する記事を読んだこと

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        • 【詩】サヨナラサヨナラ永遠に【なも】

          【詩】別れてもクラスメイト【なもなも】

          ■本日の詩『別れてもクラスメイト』 斜め後ろの席だから いくら声を潜めてもはっきり聞こえた 新しい彼女の好きなところ 「私と似てないから」って 君って残酷だね 私と違うところを一つずつ見つけ出しては恋に落ちていくんだ そのたびに私は返品の札を貼られてるみたいだよ 私を好きって言ったくせに 気持ちが変わるのは天気が変わるのと一緒なの? 晴れの日の翌日に雨が降ることを 誰かの陰謀だとわめいたら頭がおかしい人だと思われる? 私には君が嘘つきに見える 隠れる場所もない教室の

          【詩】別れてもクラスメイト【なもなも】

          【詩】ババア オン ザ ステージ【なも】

          ■本日の詩『ババア オン ザ ステージ』 私がそこに立つと 笑う人がいるわ 目を逸らす人がいるわ 唾を吐く人がいるわ 黙って首を振る人がいるわ 飲み干した空き缶を投げる人がいるわ 顔も見えないような後ろから「消えろ」と叫ぶ人がいるわ 悪いけど 私はあなたに傷つけられるほど無垢じゃないのよ あなたに会うまでに散々傷ついてきたの あなたが言うようなことはもう他の人に言われたの  何度も何度も 今さら笑っちゃうわね 夜中に一人で泣いちゃうような 繊細な歌は私にはうたえないの

          【詩】ババア オン ザ ステージ【なも】

          【詩】虹色のステッカー【なもなも】

          ■本日の詩『虹色のステッカー』 ある日虹色のステッカーを貼られた あの子、女の子を性的な目で見てるのよ  みんな気を付けて その瞬間から女の子たちは  私の目が胸を見てないか 私の手が足に触れようとしてないか まるで性犯罪者がそばにいるみたいに敏感になってる 男の子たちは 彼女を私のそばに近寄らせない 握手のために伸ばした手からさえも彼女を遠ざける まるで私が彼女をレイプしたがってると思ってるみたいに 「私のことは好きにならないでね、ストレートだから」って なんなの

          【詩】虹色のステッカー【なもなも】

          【詩】いっそ友達になれたらな【なもなも】

          ■本日の詩『いっそ友達になれたらな』 敵は味方より近くにって言うけど たしかにあの子は私の人生の一番近くにいる SNSで私の動向を全部チェックしてるし 私が髪を切ったら一番初めに気づくのはあの子なの 私が新しいリップを買った日まで把握してるし あの子は私のまつげの本数まで気に食わないの ここまでくると 好かれてるような気がしてくる だって私の恋人よりあの子私にくわしいの いっそ私たち結婚しましょうか 誰かが言ったでしょう 結婚とは世界で一番嫌いな相手に家を買ってや

          【詩】いっそ友達になれたらな【なもなも】

          【詩】推定有罪【なもなも】

          ■本日の詩『推定有罪』 毎日届く匿名の吼えメール 誰からかは分かってるの 私を親の仇みたいに思ってるあの子から 私の笑顔を凍り付かせることだけに生きがいを感じてる 私の声を奪うことだけに人生を傾けてる 私が自分で命を絶つのを今か今かと待っている 私が裁判官ならあの子を殺人の有罪にする 明るい歌を聞いて気を紛らわせようとするけど いつの間にかMVの中にあの子が登場してて いつの間にか歌ってるのはあの子になってる お風呂の中まで着いてきて 浴槽の向かいからじっと私を睨

          【詩】推定有罪【なもなも】

          【詩】不死身の恋人【なもなも】

          ■本日の詩『不死身の恋人』 誰かは私が悲し過ぎるせいだと言った 誰かは私があなたを愛していなかったからだと言った 私にはただ分からないの あなたが死んだってことが だってあなたは おとぎ話の挿絵に出てくる紫の蝶 夜道を照らす月の光 私が歌うラブソングの ワンオクターブ下のコーラス 私を一番綺麗に映す魔法の鏡 だからあなたは死んだりしない 今日はあなたに会えない日 ただそれだけなの 私は今日もあなたのためにおしゃれをするし あなたのためにいい匂いのお風呂につかるし

          【詩】不死身の恋人【なもなも】

          【詩】道の先【なもなも】

          ■本日の詩『道の先』 神様 この困難な道を それでも諦めずに進めば この先であなたが待っていてくれると思っているのだけど それって本当に合ってる? 私にはあなたの声が聞こえないから 不安になったら人に聞くんだけど ある人はそんなことあるわけないって笑って ある人は私を集会に連れて行こうとするの 私の頑張りを あなただけは知っていてくれるよね 正しいことをしようとすれば その分だけこの道の終着を越えた先で 何かいいことが起こるのよね? 私はその時のために今日を生きるの

          【詩】道の先【なもなも】

          【詩】今日も私は登場人物【なもなも】

          ■本日の詩『今日も私は登場人物』 一日の始まりに震えが止まらなくなったら こうやって自分に言い聞かせる 「これは誰かが書いた物語の一ページで あなたはその登場人物に過ぎない だから心配しなくても大丈夫 あなたが悩まなくても 結末はきっと決められてるはずだから」 見えない大きな手に導かれるように一日を始める 「何があろうと それもただのワンシーンに過ぎないから だから心まで壊れる必要はないのよ あなたはただの 登場人物なんだから あなたが例えどんなに大きな失敗をしよう

          【詩】今日も私は登場人物【なもなも】

          【詩】過去【なもなも】

          ■本日の詩『過去』 過去は消えない 過去は消せない 影のようにぴったり着いて回って離れない あと何十年これを背負い続ければいいの 忘れられるなら なんでもするわ 忘れるためなら なんでもするわ 脳が溶けるまで ロンリコを流し込む ほんの数時間のtripのために借金をする 暴力みたいなセックスだって何度でも 人は私を笑うけど ほんの一瞬忘れるためだけに 私は馬鹿になるのよ 神様教えて どうして私がこれを乗り越えられると思ったの ある日偶然頭を打って 過去を全部忘れ

          【詩】過去【なもなも】

          【詩】積み木【なもなも】

          ■本日の詩『積み木』 別に大したことじゃない ただ打ち壊されただけ あなたは私を支配した後で捨てたの 私に抗う気がなくなった途端に捨てたの あなたがいないと生きられなくなってから 空き缶みたいに放り投げたの 私の人生は過去から未来まで全部隅々 砕け散った ただそれだけのこと あなたは私が私になる前から私の中に入り込んだ 私が積み上げる積み木を全部横から奪って別のものを握らせた 私は素直にそれを積み上げてきた そうすればあなたが喜んだから 一段一段 また一段 あなた

          【詩】積み木【なもなも】

          【詩・詞】もしもし、大好きでクソッたれなあなた【なもなも】

          ■本日の詩『もしもし、大好きでクソッたれなあなた』 もしもし 心配してると思うから一応言っておくけどまだ生きてるわ 「君となら死んでもいい」 そう言ってたあなたが約束の場所に来なかったから 別にお礼は言わないわ あなたへの怒りが生きる原動力になったとしても あなたが笑うと思ったから隠してたけど 私を好きだって言ってくれたのはあなただけだったのよ 世間知らずのうぶな子みたいに舞い上がったりはしなかったわ ただ寝る前にあなたのたった一言を反芻しただけ  気付いたら夜が明けてた

          【詩・詞】もしもし、大好きでクソッたれなあなた【なもなも】

          【詩】午前二時【なもなも】

          ■本日の詩『午前二時』 『AM2:00』 (作 なもなも) 午前二時 歌を止めた 悲し過ぎて 人生の苦しみをうたった歌 私よりたくさんのものを持ってる人が 私より多くを失った歌をうたってた 歌を止めた 虚し過ぎて 天国があるって信じさせて欲しい 幸せな人がいるって信じさせて欲しい いつか私もそうなれるって いつか私もそこに行けるって 思いたいから 右を見れば誰かが泣いてて 左を見れば誰かが怒ってる 笑ったとたん袋叩き 幸せは人生の罰なんだ みんな知ってる 幸せに

          【詩】午前二時【なもなも】