伊東駅「祇園」のいなりのり巻とぎおんのからあげを茅ヶ崎駅の催事で
先週半ばはきゅんパスを使って仙台へBリーグ観戦遠征し、帰りに茅ヶ崎駅へ向かった。帰る途中に伊豆の催事を知ったからだ。
伊豆方面には好きな駅弁や名菓がいくつかある。中でも伊東駅の「祇園」さんのいなりは好物のひとつで、時々「ああ食べたいなあ」と思うのだが、その思いだけで向かうには伊東は遠い。
かつて同店が駅そば店を営業していた頃には年に一度は行っていた。いなりが美味しいお店なので、ここでは必ずきざみ揚げのおそば。
ちょっと太めの茹で麺も、濃いめのそばつゆも好きで何度も訪れたが、2019年3月、伊東駅改修のタイミングで同店の駅そば営業は終了した。終了日の間際になんとか都合をつけて訪れたが、私と同様に遠くから来る方も、きっと数え切れない程食べて来たであろう地元の方々も、多くの方から惜しまれているのがよくわかった。美味しかったもんなあ…
あれから五年。
その後伊東を訪れる機会は殆どなく、「祇園」さんの公式Xで時々神奈川にも出店される催事情報は知るものの、なかなか向かえずにいた。
先週の遠征は朝に東北新幹線のオーバーランがあった日で、その影響で出発が二時間遅れ、仙台の前に寄るつもりだった山形へ行けなくなった。
そもそも直近の土日に奈良・名古屋のはしごをして体力も消耗気味で、仙台で快勝した試合を観た翌朝にははっきり自覚できるほど体力がなかった。この体調では帰りに山形へ寄るのも難しそう。でもせっかく乗り降り自由のフリーきっぷがあるのにただまっすぐ帰るのもなあ…と思っていたところに催事の知らせを目にし、ならばと早速向かったのだった。場所はJR茅ヶ崎駅の改札を出た目の前。人だかりができていた。
買ったのは「いなりのり巻」と「ぎおんのからあげ」。どちらも大好きで何度も買った品だ。
特に近年発売を開始したからあげは、当時はまだ揚げ物をよく食べていたので喜んで買いに行った。竜田揚げのようなさくさくの衣に、美味しい醤油の下味と適度な揚げ加減。これがのった駅そばも登場した。懐かしいなあ。今では揚げ物は月に一度くらいしか食べないが、やはり格別だった。ごはんにも、そばにも合うちょうど良い味。
そしていなりのり巻。包み紙を解いて蓋を開けると、しっかりした厚手のラップにくるまれたいなりが見える。このラップの厚さや包み方も、汁気を含んだいなりのジューシーさを物語り、期待が高まる。
開封。
なんて艶やかなのでしょう。
つやつやに煮えたお揚げも、しっかり厚い海苔のかんぴょう巻も美味しそう。私はかんぴょう巻の海苔は断然厚めが好き。ここも好きなポイントのひとつだ。
そしてそして、真打ちおいなりさん。
ひとくち噛むと、ああ美味しい。やっぱり美味しい。好きだなあこの味。他にも好きないなり寿司の名店はいくつかあるが、こちらが特に食べたくなるのは酸味がとても好みだからだ。噛んだ時に揚げの甘さと相まって感じられる、口の中でほどける程よい酸味。これが好き。
お揚げはあくまでしっかり甘いので、この酸味は酢飯から伝わるものだ。だが中の酢飯だけを食べてもそれほど酸っぱくは感じない。きっと甘いお揚げに詰めてしばらく時間をおき、馴染むことで実現される味なのだろう。それにきっと酢飯も、それだけで美味しいほど丁寧につくってあるはず。だって「祇園」の駅弁はいなりだけでなく、どれを食べても美味しいのだ。特にごはんが美味しい。白米もお赤飯も美味しいので、特に売り切れの早い赤飯おにぎりのお弁当が買えた時はとても嬉しかった、そんなことも思い出した。
いろいろ思い出しつつ丁寧に味わい、食べ終える頃には伊東の駅前の様子や好きな店舗のいくつかを思い出し、「また伊東行きたいなあ」と思っていた。
コロナ禍で乗り鉄や駅そば巡りをするのが少し怖くなり、その手の趣味からしばらく遠ざかっていたが、そろそろ復活させても良い頃合いかも。