2024梅シーズン最後の梅購入、初めての「石川一号」は城州白に匹敵する香りの良さと愛らしさを持つエリート種(石川県産石川一号その1)
今年の梅シーズンもほぼ終盤。
近隣の神奈川産や元々欲しくて予約した品種は概ね十分買えたので、あとは可能なら新潟の藤五郎か福井の新平太夫あたりが欲しいと思っていた。だが外出等でネットが見られない時間帯と販売時期が重なり、残念ながら買えず。
やはり不作で生産量が少ないからか、メルカリでは昨年に比べて3kg・5kg単位での出品が目立つ。私はどちらかと言うと様々な品種を1kg程度ずつ買って漬け比べるのが好きなので、その点でも手が出しづらかった。
まだ買える品種の中で何か出物はないかしら…と探していると、目に入ったのがこちら。
「石川一号」。
初めて目にする品種名だが、いかにも試験場等で開発された感じの名称。しかも県名を冠しているあたり、ご自慢の品種ということだろうか。気になる。
調べてみると、茨城県でも生産が盛んなのか、茨城県産の石川一号の梅干しや説明ページも見つかった。それらの情報をまとめると、上の説明にもある通り、石川一号は在来種「藤之梅」の中から優良なものを選び、繰り返し掛け合わせることにより生まれたエリート品種。やや小ぶりながら熟すときれいな橙色に色づき、梅干しにすると鮮やかな褐色に。酸味はやや強く、独特のコクを含んだ深い味わいが特徴で、農家が好んで自宅で漬ける品種でもあるとのこと。それは是非食べてみたい!
少々値は張ったが、今季最後と思って注文。チルド便で送料込みなので、その分を考えれば納得価格かも知れない。
それでは開封。
おお…とてもきれいな色づきだ。おしなべて梅干しに最適な熟し方。ところどころ紅がさし、やや小ぶりなのもかわいい。ちょっととんがりした粒も散見され、杉田梅や五郎梅の形を思わせる。この「先端とんがり」は酸味多めの品種にみられる形状。石川一号、期待できる!
そして箱を開けてしばらく眺めるうちに、ふんわりと良い気分になって来た。香りが非常に良いのだ。黄桃やバナナに似た香りを感じるがそれだけではない、白梅系の花の香りや蝋梅みたいな香りを様々に含む、複雑なたいへんよい香り。
この芳香の素晴らしさは城州白と似ている。初めて城州白を嗅いだ時の驚きとうっとりを思い出した。ますます期待は高まる。すごいぞ石川一号!
さて、熟が既に十分なのでうっとりし続けている訳にも行かず、仕込まねばならない。
事前の調べから、主な加工はもちろん梅干し。だが、あまりに良い香りなので甘いものも少々試してみたい。この香り、ジャムやシロップ煮にしても美味しいのでは?
まずは計量。
やや縦長で、幅3.5cm×長さ4cm、22~24g程度のものが多かった。全体的にやや小ぶりで、梅干しにちょうど良いサイズ。
色はとてもきれいな淡いみかん色。紅のさし方も美しい。
紅のさした可愛らしい色のをシロップ煮用、それ以外に梅干し用を1.5kg程度取り分け、残りをジャム用とした。
気温がだいぶ高くなっているので、最も多く漬ける分は塩分しっかり18%で。
梅干しのもうひと袋は後でしそ漬けするも良し、白干しのままでも梅そのものの味をフレッシュに楽しみたい気になって、久々に低塩の10%で仕込んでみた。
今年これほど低塩で漬けるのは初めてなので、カビ等には重々気をつけなくては。(先週既にだいぶ懲りた)
残りの300gは最近すっかりお気に入りになった炊飯器方式(下の過去記事参照)でシロップ煮にし、
残りの200g程度はジャムに。
容量180mlの容器ひとつ分できた(できたて写真を撮り忘れ、残り少ない)。ジャムは思ったよりもおとなしめの味。梅らしい酸味のパンチはそれほど感じず、まろやかな味わいだった。
従って石川一号の真の実力は梅干しができてみないとわからない。2袋とも梅酢は現在順調に上がっている。急激に気温が上がっているので、塩漬け中の管理には昨年以上に気をつけなくては。
…さて。
「今年最後」と書いてきたが、書いている途中でまたしても買ってしまった。
マンション工事でこの猛暑の中半日も停電するというので、その時間帯は外出せねば!と出掛けた先でつい…。
山形県産谷沢梅。
銀座のアンテナショップにて発見。
いやあ安かったんですよ、さすがおいしい山形(ここの値付けはかなり良心的だといつも思う)。谷沢梅1キロで720円、例年並みの価格だ。つまり、全国的に不作の今年の水準からすると非常に安い。
それに半月ほど前の主に西日本〜東日本の梅の時期、生梅が買えそうな県のアンテナショップはひと通り見に行ったのだが、あったのは大分県のショップだけだった。その辺りも今年の全国的不作を実感させた。これはぜひ買わねば…!
という訳で、まだ青々とした谷沢梅を今週は大事に追熟させていく。楽しみだなあ。
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