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”絵をみせると反射的に名前を言う反応”について 


こんにちは、AsianSTです!😊


今回は、”絵をみせると反射的に名前を言う反応" について

をテーマにお届けします!



発達障害のお子さんとの関わりをもつ方は

こういった反応をみることもあるのではないでしょうか。



例えば、こちらが『今から絵本を読むからいっしょにみていこうね』

と言って、いざ絵本を開くと

その瞬間に開いたページの何かしらの絵に反応して

こちらが絵の名前を言うことを求める前に『あんぱん』など、

絵の名前を言ってしまう😓



そこに絵が複数あれば、こちらが求めていなくても

次々と名前を言っていく子もおり、

制止しないと、順々にすべての絵の名前を言ってしまう

ようなこともあります。



もちろん、言っている名前が当たっていれば

『よく知ってるね~、すご~い!』と褒めてあげるのも良いでしょう。



しかし、そういった現象を褒めた後に

特に問題として認識することがなければ、その状態は放置されてしまうこと

になるのかと思います (あまり良くはない言葉ですが)。



では、大人になるまで、この状態が放置され続けたらどうなるのか…?

どこかで自分で気づいてよくなっていくのか?

どう思いますか??



もちろん健常な子は、こういった状態がみられたとしても、多くの場合、

個人差はあっても、発達していく中で、自分の力で改善していくことが

可能になっていくと考えられます。



しかし、発達の問題、特に知的・言語発達の遅れが

顕著な子の場合は、私が知る限り、大人になる過程で、

自力で改善できたというケースは聞いたことがありません。



また、こういった現象と似た現象は、

”絵の名前を反射的に言う” こと以外にも

”本をみせると反射的にページをめくり始める”

という形で表れる子もいます。



では、こういった現象は、なぜ発達障害の子

(特に知的・言語の遅れが顕著)

にみられるのでしょうか?



私は、脳の前頭葉(ぜんとうよう)機能の発達の未熟さ

が要因のひとつと考えています。

 *もちろんこれがすべてではありません



前頭葉という言葉は、聞いたことがある方が多いのではないかと

思います。


前頭葉機能と一言で言っても、その機能にはいくつかの段階があります。

(ざっくりではありますが、以下に説明します)



最初は運動や行動の計画の段階です。

具体的にどんな行動をするのか、能動的な意思決定をします。



例えば、”リンゴを取る”であれば、それに応じた具体的な動きを決めます。

”手を伸ばす”、”りんごを握る”など。



最後に筋収縮(力を加える)の指令が出て行動が実現される、

というような段階を経ます。



もちろん前頭葉だけで、これらの過程が適切に遂行される訳

ではありません。



”りんごを取る” までに腕を伸ばしたり、りんごを握った時の

力が適切であるかどうかの、フィードバック機能(求心性感覚)も並行して

脳では働いています。



また、大前提として、下位脳(脳幹、小脳など)がしっかりと機能

していなければ、前頭葉も十分には機能しないということも言えます。

 

*大脳皮質がしっかりと機能するためには、脳幹など支えになる脳も
 
 しっかりと機能する必要があります



最初に述べた ”意思決定をする段階”が

オーケストラの指揮者のような役割、つまり全体の行動や動きを決定する

役割を備えています。



ここが、適切に機能しないと能動的な意思決定ができず、

今、何をするのか分からないまま、絵をみて名前を言う機能だけが

反射的に遂行されるということが起こり得ると考えられます。



ただ私は、こういったことが起こってくるのは

脳の問題もあるかもしれませんが、

それまでに、絵をみて名前を言わせる練習を

ある程度やってきた子にみられることが多いのではないか

という印象をもっています。



”反射的に”というのが、いわゆる生理的な反射

(例えば、膝蓋腱反射→膝下を叩くと足が上がる等)

ではないので、

”反射的に名前を言ってしまう” 前提条件があったのではないかと

考えています。



この問題は、発達における重要な抜けと私は捉えていますし、

名前が言える、といった機能よりも

まず、優先すべき発達段階と考えています。



今回も最後までお読みいただき、ありがとうございましたm( _ _ )m

また次回お会いしましょう(*^▽^*)!


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