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「体調と味覚の話し」

プロの調理師に限らず、毎日ご家族の料理を作る主婦の方なども経験があると思いますが、味覚というのはその日の体調によって結構感度に差が出ます。

特に塩味の感じ方が体調によって変わってくると個人的には感じています。

ただ、これはあくまで自分がそう感じるというだけで誰もが同じ様に味覚の変化を感じているのかは他人になる事が出来ないので分かり様がありません。

ただ、私の様に仕事として調理を行う者は自分の体調が味覚のどの部分に影響しているのか常に気にする必要がありますので、一般の方に比べて神経質になっている部分があるのかもしれませんね。

経験的に言える事は、気持ちが焦っていたり時間に追われながら調理をしている時というのは、相対的に塩味が濃くなりがちです。

それから寝不足だったり疲れが溜まっている時などは、全体の味つけのバランスがおかしくなりがちです。

あくまで自分だけが感じる些細な変化も含めてなのですが、こうした体調の時にはいつもは一発で決まる味つけが中々決まらず、何度も味見しているうちに結果的にバランスの悪い味つけになったりするわけです。

そうした味のバラツキを防ぐ為に、街場の飲食店などでは定番メニューについては細かくレシピを決めていて、誰が調理する場合でも必ずそのレシピ通りにする事が決められていたりします。

ところが私の主戦場である老人向けの施設などは、普通のお店と違って毎日違うメニューを提供しますので、街場の飲食店の様にレシピを決めて調理する事が現実的に難しい面があります。

だからというわけでもないのですが、毎日提供する味噌汁などの汁物に関してだけは老人向けの施設でもキチンとレシピが決まっている事が多いですね。

特に汁物に関しては減塩食を希望する方などもいらっしゃる関係で、出来上がりを塩分濃度計でキチンと測って基準の範囲内に収まっているか確認する事もあります。

現在私が関わっている施設でも汁物に関してはレシピが決まっているので、毎回必ず調味料を計って作っていますので、味のバラツキは計り間違いでも無い限り起こらないはずです。

所がですね。先日いつもの様に味噌汁を作って提供したのですが、ある方から味噌汁の味が薄いとクレームがありました。

その方から直接、いつものあなたの味つけでは無かったと言われたので私も慌てて再度味見をしましたが、全く問題はありませんでした。

同じクレームが他の人からもあれば計り間違いの可能性もありますが、全くありませんでしたのでその可能性は低いです。

結局味の感度は食べる方にも体調による変化がありますので、いつも通り作ってお出ししても薄いと感じてしまう事があるのだなと、改めて勉強になった出来事でした。

*JEUGIAカルチャーセンター堺タカシマヤ教室
「介護の為の簡単な料理術」はこちら
https://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_65-57188.html

*アゼリアカルチャーカレッジ
健康長寿食を作ろう」講座はこちら


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中嶋洋二郎
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