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減塩は本当に必要?
日本人は塩分を摂り過ぎているから減塩しましょうと盛んに言われるようになったのは一体いつ頃からでしょうか。私のあいまいな記憶では少なくとも30年前にはそんな事が言われていた気がしますがいかがでしょう。
減塩が叫ばれる様になった理由は特に東北地方などの塩分摂取量が多い地域で脳出血で亡くなる方が多かった事と高血圧とが関連付けられたからだと思うのですが、脳からの出血は高血圧以外にも血管を丈夫にするタンパク質の摂取量なども関わっていて事実戦後になってからは脳出血で亡くなる方は少なくなっています。
にも関わらずスーパーに行けば減塩食材がやたらと目に付きます。多くの人が減塩食品は体に良いと思って購入するからそうした商品が増えるわけですが、ここでちょっと客観的に考えてみましょう。
日本人の平均寿命は、2022年に発表されたデータを見ても男性82歳、女性88歳で両方とも世界一の長寿です。
残念ながらかつての様に単独で世界一ではなく同率一位といった国が男性の場合他に9カ国、女性の場合も2カ国ありますが…。
さて、ここで最初の疑問に戻るのですが減塩は本当に必要なのか。
日本人のここ最近の塩分摂取量は男性でだいたい10〜11グラム程度、女性で9グラムほどだとされています。
私が若い頃に仕入れた記憶では日本人はだいたい12〜14グラムほどの塩分を摂っていたと記憶しておりましたので、現在では減塩運動が功を奏したのかいくらか減っている事は間違いないと思います。
ちなみにWHOが推奨する一日の塩分摂取量は何と5グラムです。
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日本やアジアなどお米を食べる地域は小麦を食べる欧米に比べるとどうしても塩分摂取量が増えるのですが、日本よりも多くの塩分を摂取していると言われるシンガポールの平均寿命は男性が82歳で日本と同率の首位。女性が86歳で同率5位といった結果です。
では塩分摂取量が少ないとされる南米地域の平均寿命はどうでしょうか。
手元の資料が古くて申し訳ないのですが、2010年の調査で日本が12.6グラム摂取していた時に7.6グラムしか摂取していなかったアルゼンチンの2022年現在の平均寿命は男性が74歳で76位タイ、女性が80歳で61位タイとなっています。
ヨーロッパの国々でも他のヨーロッパ各国と比べて塩分摂取量の多いイタリアやスペインの方が、摂取量の少ないオランダやフランスより平均寿命が長いのが現実です。
さて、この事実を見てどう考えるべきでしょうか。
勿論人間の寿命は食べ物以外にも環境が大きく作用することは間違いありません。
ですが、多くの方(特にお年寄り)が信じている減塩による健康効果は果たして本当にあるのか。
私にはこの減塩運動は医者と製薬会社が血圧の薬を売るためと食品会社が減塩商品を売るために考え出した巧妙なマーケティング戦略に思えて仕方ありません。
少なくとも減塩したから(あるいは降圧剤を飲んだから)血圧が下がり、血圧が下がったから寿命が延びるといった図式はデータの何処を探しても現実の何処を見ても見えてきません。
(元記事は食べごろclub)
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