【詩】最高の銀は銀を磨くことでしか生まれない。
銀
いつからか永遠の2番にされた俺。
いい迷惑だ。
俺は俺でしかない、存在には1番も2番もない。
人間様はそうなんだろ。
もともとは金とも銅とも仲は良かった。
なのに、今じゃ金はどこにいっても偉そうで、銅はいつも俺を妬んでる。
あいつらが変わってしまったのも悲しいし、
なにより、自分があいつらをそう見てるのが哀しい。
社会の波には誰だって逆らえないんだって思ったよ。
レッテルなんて無意味だって言ってる自分が一番それを気にしてる。
あらがいたい。
俺は1番でも2番でもない、俺なんだ。
そう叫びたかった。
でも、今日も俺の仕事は2番であること。
仕事を終え家に帰る。
鏡に映る俺。それはやっぱり俺でしかない。
そこには決して2番とは映っていない。
俺は俺なのか、2番なのか、
答えは出ずに床に就く。
俺は俺なのか、2番なのか、
混沌とした霧の中、どうせ見えないならと目をつぶる。
目をつぶったときの暗闇の方が今は鮮明に思えて。
意識のない僕が頭の中で無意識に考えている。
そして、どこからか生まれた言葉が俺のかすかな意識に語りかける。
「最高の銀は銀を磨くことでしか生まれない」
俺は、目を覚ました。
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