【詩】誰かはいる、けど、誰もいない
僕が言葉を紡ぐとき
たしかにそこには誰かがいる
この思いを届けたい誰かが
それは実態もなければ形すら見えないという
なんとも不思議な存在なのだが
「いない」とだけは言えない
つまり、それはいる
一方で僕が言葉を紡ぐとき
そこには誰もいない
たった一人、僕は言葉を紡いでいる
たった一人でも言葉を紡ぎ続けられるのは
いないけどいる誰かのおかげ
僕は思う
その誰かはもしかしたら僕なのかも
知らない僕のために僕は書いているのかも
いや、でもちがう
僕であって僕でない、なんというか
僕でもあるし僕以外の誰かでもある
そんな気がする
この世界は僕と僕以外でできてると思っていた
でも、そうではなくて
世界自体が僕であり、僕以外でもあるみたいだ