【詩】当たり前の星々
この世界には無数の当たり前がある 星のように
一等星の当たり前は
今日もぎんぎらぎんと輝いている
六等星の当たり前は
今日もかすかに、でも確かに輝いている
見えていない星々が空の中には無数に輝いている
って科学の先生は言っていた
もし、それが本当なら
もし、それが本当なら、
僕には見えていない当たり前が
この世界にはまだ無数に輝いているってこと?
無数に? まじかよ…
ある程度、大人になったと思っていた
分別のある人間になったと思っていた
自分の当たり前から外に出て
人の当たり前に寄り添うことが
できるようになったと思っていた
そんなことはなかった
世界にはまだ無数の星が
僕には見えないように輝いている。
僕は手を伸ばしてみる。届かない
今日が曇っているからか。違う
どんなに空が澄んで晴れていても
僕には見えない星があるし、手を伸ばしても届かない
そうだ。空を飛べるようになろう
僕は誓った
ふと空を見上げたあの日、僕は誓った。