【詩】幸せな時には書けない言葉がある
幸せな時には書けない言葉がある
幸せの裏側には不幸せがある
普段、僕たちは裏側を見ないように生きている
突然、裏側と真正面から対峙すると
裏側に幸せがあったことを忘れてしまう
裏側の幸せを想像も、信頼も、願望もできなくなった時、はれて、裏側の世界の住人となる
そういう時にしか書けない言葉がある
夜と霧の中でしか書けない言葉がある
最愛の喪失、なぜか見返した幸せのアルバム
孤独の錯綜、駅で見かけたなにげないポスター
夢中の終焉、遠くから見た僕らの居場所
容赦のない人生
不条理な社会
戻らない時計の針
でも
それもまた真理で
そこから逃げず、否、逃げることができず
立ちつくすその人の言葉は、美しい