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早く気付いて!あなたの脳はスマホにコントールされている
皆さんは朝起きてから1番最初に何をしますか?まずは、スマホを確認していませんか?
SNSのショート動画を見ていて知らないうちに30分、または1時間経っていたなんてことありませんか?
以前の僕は、そうでした。朝起きたらまずインスタのストーリーをチェック、気になるリール動画があればなんとなく見ていつのまにか30分経っていたという朝を毎日過ごしてました。
これは、非常に時間がもったいないです。
この、朝起きてすぐSNSを見るという習慣はあなたを成長させてくれません。
今回はスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンによる著作である、『スマホ脳』という本を紹介させて頂きます。
スマートフォンが私たちの脳に与える深刻な影響について解説しています。特に、スマホの依存性、集中力の低下、精神的・身体的な健康への影響に焦点を当て、科学的な視点から警鐘を鳴らしています。
1. スマホの危険性
スマートフォンは私たちの生活を便利にする一方で、過剰な使用は大きなリスクを伴います。特に、以下の問題が指摘されています。
- 集中力の低下 -
スマホを使うことで脳が絶えず刺激を受け、注意力が散漫になります。通知音や画面の点灯が作業中に気を逸らし、結果的に生産性が落ちるのです。
- 睡眠障害 -
特に夜間のスマホ使用は、画面から放たれるブルーライトによってメラトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が低下します。また、寝る前にスマホをチェックする習慣は、脳を興奮状態にし、寝つきを悪くします。
- 心の健康への影響 -
スマホの使用がSNSやニュースの過剰摂取につながり、不安感やストレスを増幅させる要因となっています。SNSによって「FOMO(Fear of Missing Out)」、つまり「取り残される恐怖感」が増し、心理的な負担が大きくなります。
2. スマホ依存とドーパミンの関係
スマホは依存性が非常に高いツールです。これは、脳内の報酬システムと深く関係しています。
ドーパミンとは何か、そしてその役割
ドーパミンは、脳内で作られる神経伝達物質の一種で、私たちの感情や行動に大きな影響を与える物質です。特に、「報酬」や「快感」に関連する働きがあり、何か良いことが起こるとドーパミンが分泌され、私たちに快楽を感じさせます。この作用により、私たちは再びその行動をしたくなるという「動機づけ」が生まれます。
なぜ人類にドーパミンが必要だったのか
ドーパミンの役割は、単なる「快楽」のためだけではありません。進化の過程で人類が生き延び、繁栄するために不可欠な役割を果たしてきました。たとえば、食べ物を探したり、危険を回避したりする際、ドーパミンは「これをすれば報酬が得られる」という動機を与え、行動を促します。生存に必要な行動(食事、社会的つながり、繁殖など)を促進するための自然の仕組みとして、ドーパミンは非常に重要だったのです。
そのため、ドーパミンは「報酬システム」の中心にあり、私たちが何かを成し遂げたり、快適な体験を求めて行動する原動力となっています。しかし、現代社会ではスマートフォンなど、すぐに快感を得られるツールが多く存在するため、ドーパミンが過剰に刺激され、私たちの行動や脳の働きに悪影響を及ぼすこともあります。
- ドーパミンの作用 -
スマホを使うたびに、脳はドーパミンという神経伝達物質を放出します。これは「快楽ホルモン」とも呼ばれ、SNSの「いいね!」や通知を受け取るたびに、脳は快感を感じ、さらにその快感を求めてスマホを手に取るようになります。こうして、スマホを使うたびに脳が報酬を得るため、依存が強まるのです。
- 常に刺激を求める脳 -
スマホは短時間で多くの情報を提供するため、脳がその刺激に慣れ、新しい情報や報酬を絶えず求めるようになります。このため、じっくりと考える能力や集中する力が衰え、長期的には精神的な疲労感が増すことにつながります。
3. マルチタスクの弊害
本書では、マルチタスクの非効率さについても強調されています。多くの人がスマホを使ってマルチタスクを行いがちですが、脳は本来、一度に一つのタスクしか集中して処理することができません。
- 注意力の低下 -
マルチタスクを行うと、脳がタスク間を頻繁に切り替える必要があり、その切り替えにエネルギーと時間がかかります。そのため、各タスクのパフォーマンスが下がり、結果的に効率が悪くなります。
- 切り替えコスト -
タスクを切り替えるたびに「切り替えコスト」が発生し、これが脳を疲れさせます。さらに、マルチタスクを行うと作業ミスが増え、学習効率や記憶力にも悪影響を及ぼします。シングルタスクに集中する方が生産性が高く、精神的な負荷も軽減されます。
4.スマホが近くにあるだけで集中できない理由
スマホが視界に入るだけで、集中力が低下することが「スマホ脳」で指摘されています。
- スマホが脳を刺激する -
スマホは視界に入っているだけで、通知が来るかもしれないという期待感を脳に生み出し、無意識のうちに注意がそちらに向かいます。このため、作業に集中しようとしても、スマホの存在が気になりパフォーマンスが落ちるのです。
- 脳のリソースが分散する -
スマホが近くにあると、脳のワーキングメモリがスマホに割かれてしまい、情報の処理能力が低下します。スマホを見なくても「次に使うかもしれない」という意識が働き、脳が完全に作業に集中できない状態になります。
5. スマホ依存を克服する方法
『スマホ脳』では、スマホ依存を防ぐための具体的な対策も提示されています。以下はその主な方法です。
- スマホを視界から遠ざける -
スマホが近くにあるだけで集中力が低下するため、作業中はスマホを見えない場所に置くか、別の部屋に置くことが推奨されています。
- 通知をオフにする -
通知音やバイブレーションは脳に強い刺激を与え、集中を妨げます。通知をオフにし、必要な時だけスマホを確認する習慣を身につけることで、依存を減らすことができます。
僕のおすすめは、iPhoneを使用している方だけかもしれませんが、ios12以降についている集中モードという機能です。特定のアプリからの通知をオフすることができます。僕はジムにいる間、本を読む時、就寝前は集中モードを使いラインとインスタの通知がこないように設定しています。
- デジタルデトックスを実施する -
定期的にスマホを使用しない時間を設け、脳をリセットすることが大切です。特に、寝る前や休日はスマホから離れる時間を意識して作り、心身をリフレッシュさせることが効果的です。
最後はおまけとしてドーパミンとエンドルフィンの違いについて説明します。
ドーパミンとエンドルフィンの違い
ドーパミンとエンドルフィンは、どちらも脳内で働く神経伝達物質ですが、それぞれ異なる役割を持っています。どちらも私たちの感情や行動に影響を与えますが、作用の仕方やその目的に違いがあります。
1. ドーパミンの役割
ドーパミンは、「報酬」や「動機づけ」に関係する物質です。何かを成し遂げたり、快感を得たりする前に分泌され、「これをすれば報酬が得られる」という期待感を生み出します。このため、ドーパミンは新しい経験や目標達成に向けた行動を促す原動力となります。
- 特徴 - 快感を得るために行動を促す。
- 効果 - 報酬や快感への期待感を高め、行動を持続させる。
たとえば、スマホの通知やSNSの「いいね!」に反応してスマホをチェックするたびにドーパミンが分泌され、快楽を感じ、それを繰り返したくなるのです。
2. エンドルフィンの役割
一方、エンドルフィンは、「痛みを和らげ、幸福感を与える物質」です。体がストレスや痛みを感じたとき、これを軽減するために分泌され、鎮痛作用やリラックス効果を発揮します。運動や笑いによって分泌が促進され、心地よい幸福感やリラックスを感じさせるのがエンドルフィンです。
- 特徴 - 痛みやストレスを緩和し、リラックスさせる。
- 効果 - 幸福感や安心感をもたらす。
たとえば、ランニングや運動をしているときに「ランナーズハイ」と呼ばれる状態が起きるのは、エンドルフィンが分泌され、痛みや疲れを感じにくくなるからです。
3.主な違い
- ドーパミン -
行動を促進し、目標達成や報酬を得るために動機づけを与える。スマホやSNSなど、外部の刺激に反応して分泌されやすい。
- エンドルフィン -
ストレスや痛みを和らげ、リラックスや幸福感をもたらす。運動や笑い、深いリラックス状態で分泌される。
このように、ドーパミンは行動を促進する物質であり、エンドルフィンはストレスや痛みを軽減し、リラックスさせる物質として、それぞれ異なる役割を果たしています。この違いを理解することで、私たちの感情や行動にどのように影響を与えているのかがより深く理解できます。
具体的に言うと、食べ物を見たり、匂いを感じたりして「食べたい」という欲求が生まれるときに分泌されるのがドーパミンです。これが、行動を促して「食べたい」という動機づけになります。
一方、実際に食べて満足感や幸福感を感じるときに分泌されるのがエンドルフィンです。食べた後のリラックスした気分や心地よさ、満足感がエンドルフィンの働きによるものです。
このように、ドーパミンは「期待感」や「行動の原動力」となり、エンドルフィンは「幸福感」や「満足感」を与えるという違いがよく表れています。
まとめ
『スマホ脳』は、スマホが私たちの生活や脳にどれほど深刻な影響を与えているかを警告し、その依存を防ぐための具体的な方法を提示しています。スマホは便利なツールですが、適切に使わなければ集中力や記憶力を低下させ、精神的・身体的な健康を損なう可能性があります。スマホとの付き合い方を見直し、意識的にその影響をコントロールすることが重要です。