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43歳一独身公務員の旅行記(タイ編)②「ワット・ポー(涅槃寺)で涅槃像とご対面」

 2024年8月9日。朝、ホテルシーロムフォレストで眼を覚ました。
 僕は身支度を済ますと、財布とスマホを旅行用ポシェットに放り込み、部屋を出た。

ロビーに降りると、Kが僕を待ってくれていた。

「よし!じゃあいくっすかね!」 Kが言った。
僕らはホテルを出た!

「おぉっ…」
 ホテルを出ると、生まれて初めて見る景色に僕は思わず感嘆の声をあげた。
 路上に停められた無数のバイク。ズラリと並ぶ屋台。汚れたアスファルトの道路。立ちこめる独特の下水の匂い。屋台の鶏肉の香ばしい匂い・・・。晴れ渡った空・・・。昨日の夜とはまた全然違う、バンコク・シーロムの表情だった。

 「いかにも観光地」な場所ではない、シーロムの日常の空気が、演出されていない世界が、あまりに新鮮だった。早くも僕は静かに感動していた。

 僕は昨日(8月8日)、43歳になった。ヤングから見れば、43といえば完全なるオッサンであろう。ところが今、まるで初めて外国に来た高校生のように胸をときめかせている。いや、あるいは高校生以上に胸ときめかせているかもしれない。これってずいぶんとラッキーなことじゃないか?と思う。
果たして残りの人生で、何回こういうトキメキを感じることができるのだろう・・・?

 僕とKは、早速屋台で朝食を取ることにした。

美味しそうな匂いに惹かれて麺屋さんの屋台を選んだ。
麺を受け取ると、簡易テーブルで食べるのだ。
店員さんが「ニカッ!」て笑ってくれた。
クイッティ・アオ
具沢山。麺は、米で作った麺らしい。
あっさりスープで、とても美味しかった!
60パーツ(288円くらい)
タイの料理はどれも安価で美味しかった!

 僕は貪る様にクイッティ・アオを食べた。少々衛生面が気にはなったものの、あっさりスープで食べやすく、ゆで卵、魚のすり身の団子、鶏肉がゴロゴロ入っており、大満足だった。また、この麺料理を食べることで自分がタイという国に溶け込んでいくようで心地よかった・・。

 腹ごしらえをすませ、いよいよ観光だ。
「オギヤマさん、せっかくタイにきたんだ。やっぱりここは、スタンダードなザ・タイの観光名所を自分は紹介しようと思う!」
 とKが力強く宣言してくれた。日頃どこか人生を諦観している彼がそういってくれ、僕も答えた。
「頼むっス!」

地下鉄に乗って、
タイの三大寺院である「ワット・ポー」へ!
ちなみに「ワット」は「寺」という意味だ。
ワット・ポーの最寄駅であるサナームチャイ駅に到着。
駅からでると、すぐにワット・ポーが現れた。
ワット・ポーの入り口

「ワット・ポー」は別名「涅槃寺」(ねはんでら)と呼ばれている。涅槃像が存在するからだ。
「涅槃」は、「煩悩 (ぼんのう) の火を消して、智慧 (ちえ) の完成した悟りの境地」という意味だそうだ。

 チケットを購入して(200バーツ)入るとすぐに、4つの仏塔が聳え立っていた。

4つの仏塔

 それぞれの仏塔に、タイの国王であるラーマ1世から4世が眠っている、という。仏塔を近くでよく見ると、色鮮やかな陶器の欠片で構築されている。厳かな雰囲気を感じることができた。

 次に涅槃像があるという仏堂に入る。
涅槃像といえば、小学生の頃流行った「ストリートファイター2」ムエタイファイター・サガットの本拠地背景としても有名だ。
 僕とKは仏堂で、涅槃像に対面した。

おおおっ!でかい!!
涅槃像は高さ15メートル、横46メートルにも達する。
圧巻の迫力だ。
この表情。
これが悟りの境地に達した者の表情かあ・・。
足の裏には、仏教の世界観を現した真珠で飾られた108つの絵が刻まれてあるのだ!!
螺鈿(らでん)細工(貝殻を研磨して模様にはめ込んでいく装飾方法)によって描かれているという。
気が遠くなるような細やかな細工だ。
完成にどれくらいかかったのだろうか。

写真には撮り忘れたが、涅槃像の横には人間の煩悩の数108つ分のお賽銭の金のたらいが置かれてあった。

 ワット・ポーを後にする。

 何やら、1時間半くらい集中して仕事した後のような、清々しい心持ち。
 悟りを開いた釈迦の穏やかな目が印象的だった。
 僕はまだまだ面白い文章を書きたいし、チヤホヤされたいし、美味いものを食べたい・・・。愚痴も言う。43にして煩悩だらけだ。
 しかし、ひとまずはワットポーの世界観に浸り、集中して楽しむことができた。いいじゃないか!

 8月9日の午前の部はこれにて終了!
 宜しければスキしてくださいっ

Kとの写真



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