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#SideStory
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜 あとがき
お疲れ様です。
初めて、小説の短編を書ききりましたので、あとがきを書いてみます。(1話完結分はノーカウント)
正直、思ったよりも時間がかかって申し訳なかったです…。
色々と試行錯誤しながらとはいえ、こんなに時間を要したうえで最後まで見て頂けた皆様には、本当に感謝しかありません。
ありがとうございます🙇
本作は、「World Is Myself」のサイドストーリーということで
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜7(最終回)
**最終話**
たった一度。
たった一度だけ、ママが涙を見せたことがあった。
小学生になる前、珍しくママが2人で少し離れたカフェに行こうと誘ってくれた。
パンケーキを食べさせてもらえる事に喜び勇んだ私は、何も考えずについて行った。
嬉しくて笑顔で一杯だった私に母は、2人だけでどこかに逃げちゃおうかと、言った。
それに、私は激しく拒絶した。
住み慣れた場所を離れるのか嫌だっ
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜6
**第7話**
初対面は、散々に近いものがあった。
アニメのセリフを引用した掴みに失敗。
彼女の負けん気が強い部分を引っ張り上げようとしたが、不審者のように見られてしまった。
「これは時間がかかるかもしれないな」
「いえ、かかっていただきたくないのですが、どうして大人相手だと人心掌握するの余裕なのに13歳の少女に対してそんな感じなんですか?」
はー、とため息をカナエが溢した。
「青
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜5
**第6話**
年季の入った屋根瓦の2階立て住宅の縁側に、小学生の少年と50代の堀が深い顔の初老の男性が2人並んで座っていた。一見して、微笑ましい親子もしくは祖父と孫の姿に見えなくもないが、その会話は、一風変わったものだった。
「叔父さん、ちょっと総理大臣になってよ」
「おお、息子よ。とうとう、言動だけではなく頭までおかしくなってしまったか」
大袈裟に頭を抱えて、悩むそぶりを見せる初老の
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜4
**第5話**
リムジンに乗りこむと、見た目通り広くて快適なシートが口の字のようにあって、目の前にはテーブルが設置されていた。
歌絵の目の前に、紅茶が置かれる。
「コーヒーの方が良かったかい?」
「私が紅茶を好きなこと知ってていってますよねー」
どこまで把握したうえでの行動なのか、気になる。
だけど、この人はどんなことでも納得してしまいそうな不思議な雰囲気がある。
歌絵は紅茶
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜3
**第4話**
大好きだったママの瞳を2度と見ることができなくなったのは、私が10歳のとき、今のように夏の残暑が続く秋の入り口の季節だった。
いつものように、学校にママが迎えに来てくれて2人で歩いて帰った。
クラスメイトに馬鹿にされても、全く気にならなかった。だって、彼らに興味なんてなかったし、ママがいればそれで良かった。
その日は、2人で歩いている途中の公園に猫がいるのを見かけた。
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜2
第2話
****
いつだったか、お母さんに言われたことがあった。
『歌絵の描く絵は、どれも夢があって大好きよ』
それが始まりだった気がする。
空を飛ぶイルカ。
ワニと遊ぶ犬。
輪になって、動物と人間が笑顔で踊る。
世界中に降り注ぐ流れ星を拾う私。
沢山、沢山、絵を描いてお母さんにあげた。
もっともっと喜んでもらいたい。
あの頃の世界は、眩しく七色の光に満ちてた。
友
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜1
2040年9月。
雲ひとつない空から日差しが照り付ける夏の日。
青々とした空の下、椎山歌絵は1人、スケッチを楽しんでいた。歌絵の目の前にはキリンが歩いており、その姿を見ながら軽快に描いていく。
歌絵が顔をあげるたびに、赤い髪飾りが付いた左右の黒髪のツインテールが揺れて跳ねた。紺のブレザーにピンク色のリボンの制服を着た中学2年生の歌絵は、幼さを残しながらも、凛々しい顔立ちをしている。