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「C」宣告

Cの思い出

みなさんの「C」の思い出はなにかありますか?
ABCのCだから、3番目を連想されますか?
それとも、視力検査の右でしょうか。

私にとっての「C」は

「虫歯」

です。

小学校時代、定期的に行われた歯科検診。
まだ乳歯が多く、歯がグラグラする…というのが何度かある中で

「はい、じゃあお口開けてね~。
ほにゃほにゃ、ほにゃほにゃ、C!、ほにゃほにゃ…」

「は~い、終わりましたよ~。」

そして私は、歯医者さんへ治療に行くようにと用紙が渡されたのでした。

国民皆歯科検診制度

2022年6月に政府がまとめた骨太の制作に「国民皆歯科検診制度」の検討が含まれたと発表されました。

学生時代には、各健診が定期的に行われていました。

しかし、社会人になると福利厚生の一環として年に1度の健康診断はあれど、歯科検診は含まれていませんでした。

超高齢社会になり、健康寿命が伸びている日本で、歯科検診が義務付けられていない年代である50歳以降では、平均して2年に1本強の歯を喪失し、60歳で歯の本数が17.8本、80歳以上の1人平均の歯の本数は4.6本と報告されているそうです。

歯に何かあって抜いてしまったり、歯周病などの進行で永久歯が抜けてしまう、なくなってしまうと、もうあとは差し歯か入れ歯を入れないと、美味しいご飯を「噛みしめる」ことができなくなってしまうのです。

終わらない歯科通院

私は、数年前に知り合いから

「歯に何かあったら、取り返しがつかないから、虫歯がないかクリーニングだけでも行ってみた方がいいよ」

と教えてもらい、十数年ぶりに近所の歯科に検診の予約を取ったのです。

診てもらった結果としては、「虫歯はありません。親知らずが1本出てますね。あとは歯石がしっかりついていますので、これを除去していって歯周病予防をした方がいいですね」とのことでした。

虫歯がなかったのは嬉しいですが、歯石除去は割と人海戦術でして、恐らく先の尖った銀色のヤツで、ガリガリガリガリが続く日々。

右上、左上、右下、左下の順に通院し、その後はクリーニングと歯周病検査で3ヶ月ごとくらいの周期で来てくださいと言われました。

そしてとある日、

「1本出てる親知らずなんですけど、隣の歯との間がそろそろ虫歯になりかけているので、抜いといた方がいいと思うんですよね~~」

と言われました。

お医者さんが言うことには素直に従うしかありません。

断腸の思いで、抜歯をしました。

歯茎にぶっ刺さる麻酔。スパナのようなものであろう器具で歯を挟んでぐいっと引っこ抜かれる感覚。。

ピシッっという感覚が来たあと、「はい、抜けました~」とドヤ顔。
僕はこれまで共にした相棒とお別れをしました。

その後は、抜けた穴がふさがるまで、ご飯粒がスポっとハマり、その度にうがいをしたりしてどかして、穴がふさがるまでの数ヵ月を過ごし、隣の歯が虫歯になることもなく、相変わらず3ヶ月ごとにクリーニングと歯周病検査で通院しています。

私の場合、知人からの助言で通っていますが、これを義務化するというのが今ごろ検討されているとのことで令和になるまで放置されていたことに正直驚きました。

なぜなら、独立して開業する歯医者さんが多く、今ではコンビニより数が多いと言われているほどに「〇○歯科」や「××デンタルクリニック」が乱立しているからです。

健康に天寿を全うするために。最低限度の生活を過ごし、美味しいご飯を自分の歯で「嚙みしめる」ために。

この制度の導入には賛成したいと思っています。

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