和の優雅さを象徴する“阿古陀棗”とは？海外オークションで評価を高めるポイント【モーカルナビPlus・輸出編】

1. はじめに

日本茶道において、茶の湯の精神や道具の美しさは海外からも注目を集める要素の一つです。とりわけ“棗（なつめ）”と呼ばれる茶器は、お抹茶を入れる小ぶりの容器であり、漆塗りや意匠にこだわったものは芸術作品として評価されることもあります。その中でも、阿古陀棗（あこだなつめ）はふっくら丸みを帯びた独特のフォルムが特徴で、海外オークションで高値落札されるアイテムの一つです。
本記事では、阿古陀棗とは何か、その魅力や歴史的背景、さらに国内での入手方法や海外オークションで売る際のポイントについて解説します。日本の茶文化と漆芸が融合した伝統の逸品を、どのように海外へ届ければ良いのか、ぜひ参考にしてみてください。

1-2. 阿古陀棗とは

“阿古陀”という名称は瓜（ウリ）の一種を指すといわれ、瓜のような丸みを思わせる形が語源とされています。一般的な中棗（なかじき）よりもふっくらとした寸法で、蓋の位置や胴のフォルムなどに特徴があるため、一目見ただけで“阿古陀”とわかる造形となっています。

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2. 阿古陀棗の特徴

2-1. 形状

阿古陀棗は、上下が分かれた二つのパーツ（蓋と胴）で構成され、瓜のような丸みを帯びたシルエットが魅力です。蓋の取り口部分にくびれを持たせることが多く、全体的に柔らかな印象を与えます。

2-2. 漆塗りの美しさ

日本の漆器技術が施された阿古陀棗は、光沢ある塗膜や蒔絵（まきえ）などの装飾が施される場合があります。高級品になると金粉や螺鈿（らでん）などを用いた豪華なデザインも見られます。一方で、シンプルな朱塗りや黒塗りの棗も侘び寂びを感じさせる人気アイテムです。

2-3. 茶道における役割