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「クイズの本」3選 FIKAのブックトーク#43
こんにちは、FIKAです。
毎回1つのテーマで数冊の本を紹介しています。
今回のテーマは「クイズ」。
1月9日は「クイズの日」だったので、クイズを扱った本を3冊紹介します。
「双月高校、クイズ日和」 青柳碧人
クイズが大好きだ!という高校生たちの青春群像小説です。
さて、ここで問題です。
「クイズ好きな高校生」というとどんな人物を想像しますか?
偏見を承知で言うなら、それはおそらく男子、頭が良くて知識欲旺盛だけど、スポーツは苦手で少し内気な性格・・・世間一般でのイメージはどんなところではないでしょうか?
けれど、この小説の主人公の一人である土方亜輪紗は、髪を染めて眉も整え、ぱっちりした二重瞼にメイクも施した今どきの女子高生です。
双月高校に入学して友達と一緒にテニス部に入って、部活に遊びに恋愛に忙しいリア充な日々を過ごしているはずなのになんだかむなしい。
「自分のやりたいことはこれじゃない」「もっと魂をこめられることを見つけたい」と感じていた亜輪紗は、ある日クイズと出会い、テニス部をやめてクイズ同好会に入ります。
「クイズ?何それ?」「カッコ悪い、やめときなよ」という周囲の冷たい視線にも負けず亜理沙はクイズ競技にのめり込んでいきます。
質問があって、誰よりも早く答える、それが面白くてたまらない!私のやりたいことはこれだったんだ!
そして、演劇少女や不良少年、記憶力がいまいちのクイズ同好会会長など個性的なメンバーたちと共にクイズ競技の全国大会出場を目指すようになります。
外見も属性も性別も能力も関係ない!クイズが好きだから好きなんだ!
本気でクイズに挑み、様々なトラブルを乗り越えて彼らが見つけた「本当に大切なもの」とは?
「君のクイズ」 小川哲
クイズ大会決勝戦、対戦相手はなぜ「ゼロ文字正答」できたのか?
この小説は本当にただこれだけの話です。クイズ大会の決勝で主人公の三島を負かした本庄は、問題が読み上げられる前に正解を言って優勝します。もちろん、ヤラセも問題漏洩もありません。
どうしてそんなことが可能だったのか。
三島は録画映像や過去の番組を見たり、いろんな人に話を聞いたり、自分の記憶を振り返りながら推理を重ね、やがて真相にたどり着きます。
・・・ただそれだけの話なのに、すごく面白い。
「ゼロ文字正答」の謎を解くミステリですが、この小説の面白さはむしろ「クイズとは何か」をとことん追求していく哲学的な部分にあります。
クイズに真剣に取り組む人には2種類のタイプが存在します。
「競技としてのクイズを追求する人」と「クイズを人生におけるツールとしてとらえる人」。
三島が前者で、本庄が後者です。
二人のクイズ観の違いがそのまま人生観の違いとなり、それがこの小説の読みどころであると同時に「ゼロ文字正答」という謎の答えにもなっています。
ミステリでバトル物で哲学的というジャンル分け不能の小説で、2023年本屋大賞第6位に選ばれました。
「ねこ謎」
可愛くて楽しい「クイズ」+「ねこ写真集」です。
ねこをモチーフにしたクイズを解くと、その答えにぴったりなねこの写真が待っているんです!
可愛かったり、変顔だったり、だらけていたり、なんでそうなる?という不思議ポーズだったり・・・
クイズの方もいろんな問題があって楽しいです。一人でじっくり取り組んだり、みんなでワイワイ言いながら考えたり、ねこの写真にツッコミをいれたり…
大人から子どもまで楽しめる「癒し系謎解き本」をどうぞ!
以上、3冊の本を紹介しました。
クイズってやっぱり楽しいですよね。
読んでくださってありがとうございました。