映画「ナミビアの砂漠」と「ポンヌフの恋人」
映画「ナミビアの砂漠」を見てきました。
まだ20代の監督がカンヌで賞を取ったり、「不適切にもほどがある!」で一気に知名度が上がった河合優実が主演だったり、予告編も非常にうまく作られていて、以前からかなり気になっておりました。
感想、かなり良かったです。河合優実、凄い。
そして「ポンヌフの恋人」を思い出しました。
以下、ネタバレ含みます。
河合優実が演じる奔放な主人公・カナが恋愛でこじれて、最後やけになってナミビアの砂漠に向かうってオチかなーなどと安直に考えてましたが、ナミビアには行きません。。。
カナがボーッとしている時に眺めているのが、ナミビアの砂漠の映像。(実際にyou tubeで見れます)
作品はとてもコラージュ的。監督本人含む色んな人の経験を絶妙に脚本に落とし込んでいる印象。なので、誰もが若き日に似たような経験をしていたり、共感しやすいエピソードが散りばめられている。その点が本作の評価が高い要因のひとつだと思う。
そして、河合優実が演じる自由奔放で、一見天真爛漫なカナが、後半に向けてワガママで暴力的になっていくさま。そうなる原因でありながらも、それを必死で受け止めようとする金子大地が演じるハヤシ。
この二人がマンションの室内から廊下にまで出て繰り広げる本気のケンカ(=取っ組み合い)が本作で最も印象的なシーン。
ケンカといっても襲い掛かってくるカナを必死で止めようとするハヤシ、という構図。(なのでハヤシからは手を出さない)
決して美しい映像ではないのですが、何故か映画「ポンヌフの恋人」で主人公2人がポンヌフ橋で踊り狂うシーンを連想しました。魂のぶつかりあいのような。
カナが取っ組み合いに疲れ果てた後、ハヤシは何もなかったかのように「何か食べる?」と言って冷凍庫にあったハンバーグを作る。この難しい役を、サラッと違和感なく演じていた金子大地も上手いなーと思いました。
てっきり途中でカナを投げ出すかと思ったけど、最後までそんな素振りを見せないし感じさせないハヤシ。イケメンなのにカッコいい。
「ナミビアの砂漠」を純粋なラブストーリーとして見てる人少ないようですが、深い愛の映画だなーと思いました。
137分ありましたが、あっという間。映画館でみるのをオススメします。